夢でもあなたを想う 3【ふしぎ遊戯】 (ページ9)

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111話ページ9

「今な、攻児らが市街に出て来とんねん。ちょこっとだけ、一緒に気晴らししに行かへんか？」

「え？」

「こんまま一人で部屋戻って眠れるならええねんけどな？そうもいかんなら、どんちゃん騒ぎしてる馬鹿連中のなかにおった方が、いっときでも忘れられるやろ。明るくなるまでやり過ごせたら、気分も変わるかもわからん」

突然の提案に驚いているのか、少し躊躇うような表情をしていた。嫌なわけではなさそうだが。

「でも、」

「あ、いや。気乗りせえへんなら無理強いはせんけどやな」

「ううん……そうじゃなくて。私、女だし邪魔になりそう」

俯き加減なAの後頭部を、手のひらでぽんと叩いてやる。

「阿呆。攻児が来い言いよったんじゃ。分かったら、外行ける格好に着替えてき」

「……うん。分かった」

もう夜も遅いが、少なくとも二・三日は予定も真っ白だ。別に気晴らしくらい構わないだろう。

「どっちかいうと眠れへんのは……俺の方かもしらんけどなぁ」

Aの部屋の前で腕を組みながら、今度はうつむかずに空を見上げる。なるほど確かに、今夜は星がとても綺麗だった。