夢でもあなたを想う 3【ふしぎ遊戯】 (ページ8)

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110話ページ8

「……何があったか説明しなさい」

Aの事を慌てて追ったが、探すのに手間取ることはなかった。寝ぼけ眼の柳宿がいて、胸に抱き止めたままのAを指差しながら不機嫌そうに翼宿を問い詰めてきたからである。恐らく何があったか、ではなく、何をしたのか、と彼は言いたいのだろうと思う。ひどい話だ。

「お、俺とちゃうがな……」

「血相変えて追いかけてきたくらいなんだから、あんたがまた余計な事言ったんじゃないのお？寝ようとしてたら泣きながら飛び込んできて、びっくりしたわよ。なんにも教えてくれないし。まさか、Aの口からは言えないようなことを……」

「ちゃう！太一君……いや、朱雀に誓ってもちゃう！と、とりあえず引き取るさかい……なっ？Aー？Aちゃーん？」

猫なで声を出して恐る恐る肩に触れると、泣き腫らした目が翼宿を振り返る。何を思い出したか知らないが、またじわりと瞳を潤ませていた。

「うっ……」

相変わらず訝るような柳宿の視線を敢えて無視し、半ば引き剥がす勢いで引き取った。それからもう一度「とにかく、誤解やからな！」と言って、柳宿の部屋をあとにする。

案外、彼女はすんなりとついてきてくれた。

「お前、大丈夫か？」

「……うん」

「そういう返事は無理せんでええねん。ほんまお前っちゅー奴はぁっ……！」

と、ここで口を閉ざすのは、このままではまた声を荒らげてしまうと思ったからだ。ぐしゃぐしゃと頭を掻くなり、ふと朝の出来事を思い出し……Aの肩を叩いて、こんな提案をした。