18歳の誕生日. ページ30
フロイド「俺ずっと聞きたかったんだけどぉ」
『？何ですか？』
フロイド「クマノミちゃんって、誕生日いつなの？」
いつものように自室でゲームをしながらフロイドさんに抱き締められていた時のこと。
突然そう聞かれ、身体が固まる。
『…どうして？』
フロイド「え〜だって昨年俺達の誕生日祝ってくれたし？俺もクマノミちゃんの誕生日祝いてーじゃん」
『その気持ちだけで十分なんですけどねぇ』
フロイド「十分じゃねぇの、俺が」
教えてよ〜と言いながら僕の首元に頭を埋めてくる。
…誕生日、と言うのは、僕にとっては来ないで欲しい日で。
『…4月29日』
フロイド「ん？」
『4月29日ですよ』
フロイド「あは、マジ？明後日じゃん」
…フロイドさんと、お付き合いを始めてから一年と少し。
昨年の誕生日は今までと同じでイデア先輩達と過ごした。
僕の誕生日を知っているのは、イデア先輩とオルトくん…ライアン…そしてルイスだけだから。
フロイド「誕生日ってふつー嬉しい日じゃねぇの？」
『…んー』
フロイド「なーんでそんなに不服そうなわけぇ？喜ぼうよ、お祝いしてあげるし」
『…そうですねぇ』
喜ぶ、か。
…喜べるのだろうか。
『ちょっと買い物行ってきます』
フロイド「え、いきなり？俺今そんな気分じゃねーんだけど」
『一人で行ってきますから大丈夫ですよー』
そう言いながら立ち上がれば、嫌だと言うようにぎゅっと腰に抱き着かれる。
いやじゃあ行こうよ。
『すぐ戻って来ますから』
フロイド「ん〜…分かったぁ。行ってらっしゃい」
へにゃりと笑いながらそう言ってくれる。
…あと何回、この会話を交わすことが出来るのだろう。
『行って来ます』
部屋から出て、購買部へと向かい歩く。
メインストリートを歩きながら、ふと思い空を見上げる。
『…どうして僕は、僕なんだろうなぁ』
女の子になんて、生まれたくなかったよ。
…お姫様なんて、喜べることでもないと言うのに。
「やっと見つけた…」
『…帰ってってお願いしたら、帰ってくれますか？』
「いえ、それは出来ません」
現れた男の人に、手を掴まれる。
…僕は幸せになんて、きっとなれない。
「帰りましょう、姫。我が国へ」
望んでもいない“お姫様”としての生活なんて、いらないのに。
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Runa☻ - このお話最ｯｯｯｯ高に大好きで尊くて作者様天才ｯｯ！！！！ (2023年4月30日 12時) (
レス) @page41 id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - ないたわぁみんなカッコ良すぎるしアズくん…ゆうくん良い男だしレオナさん最高すぎ… (2022年3月23日 5時) (レス) @page41 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
長月 - 本当に最高でした…。いろんな伏線が貼ってあってそれを回収していくのがめちゃくちゃおもしろくて、感動しました！！ (2020年11月13日 4時) (レス) id: 677a311103 (このIDを非表示/違反報告)
名無し6853号(プロフ) - あぁ........この作品は尊すぎます。この作品に出会わせてくれてありがとうございます！ (2020年11月2日 2時) (レス) id: ce469f6b4f (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - 邪魔すんぜ、ジェイド最推しの者です。いや､､、この小説は､､、神っすね (2020年10月23日 16時) (レス) id: 2a559184c7 (このIDを非表示/違反報告)
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