��. ページ27
イデア「新入部員のアズール氏。此方はイグニハイドのA氏。二人とも、仲良くしてくだされ」
アズール「よろしくお願いします」
『ぁ、よ、よろしく、お願いします』
初めて会ったのは、僕がボードゲーム部に入部して少ししてからのことだった。
イデアさんに紹介されたその人は声を掛ければびくりと肩を震わせ、口を開けばオドオドしながら言葉を紡ぐ。
その姿に腹が立っても、笑顔で接するようにしていた。
…それなのに、
『…ね、ねぇ…その笑顔、作ってて疲れない…？』
アズール「…は？」
たまたま二人で会った時に、その人はそう言った。
…信じられなかった、まさか…何も気付いていなさそうなこの人が、そんなことを言うだなんて。
『あ、あの、僕はイデア先輩から色々聞いてて…あなたの本性も、知っちゃってるので…一緒、ですよ？その態度しても…』
アズール「…そうですか、イデアさんと仲がよろしいんですね」
『幼馴染、なので…』
イデアさんの幼馴染だったか、クラスメイトだと言うのに…厄介だ。
そう思い、軽くあしらおうとしているのに、こう言う時ばかりぐいぐい来るのがこの人で。
『む、無理だけは、しないでね…』
アズール「…してませんよ」
…少しくらいは素を出しても良いか、と何故か思わされた。
だからそれからも毎日のように声をかけてやった。
びくりとするのが段々と減り、僕とだけは会話をする姿に…周りとは違う、特別なのだと言う優越感を感じていた。
“彼女”の“過去”を知るまでは。
たまたま風邪を引いてしまったあの人の所へとお見舞いと称して会いに行った時。
イデアさんに入るなと言われた声も聞かずに部屋へと入った。
…その時、あの人の暴発したユニーク魔法が僕に当たった。
…たまたま、当たったのが僕で…たまたま、彼女の過去を知ってしまったんだ。
どれだけの目に遭ってきたか、どれだけ大切な人を失ってきたか…何も知らないくせに、特別だなんて。
…何もしてあげられないのに特別だなんて。
ああ、何だ…そんなことあるはずがない。
アズール「…勘違いも、程々にしてくださいよ…」
勘違いだと気付いたと共に、もう一つのことに気付いてしまった。
…僕は、性別にさえ気付いていなかった状態で…男だと、思っていた時から…
Aさんに、恋をしてしまっていたのだと。
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Runa☻ - このお話最ｯｯｯｯ高に大好きで尊くて作者様天才ｯｯ！！！！ (2023年4月30日 12時) (
レス) @page41 id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - ないたわぁみんなカッコ良すぎるしアズくん…ゆうくん良い男だしレオナさん最高すぎ… (2022年3月23日 5時) (レス) @page41 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
長月 - 本当に最高でした…。いろんな伏線が貼ってあってそれを回収していくのがめちゃくちゃおもしろくて、感動しました！！ (2020年11月13日 4時) (レス) id: 677a311103 (このIDを非表示/違反報告)
名無し6853号(プロフ) - あぁ........この作品は尊すぎます。この作品に出会わせてくれてありがとうございます！ (2020年11月2日 2時) (レス) id: ce469f6b4f (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - 邪魔すんぜ、ジェイド最推しの者です。いや､､、この小説は､､、神っすね (2020年10月23日 16時) (レス) id: 2a559184c7 (このIDを非表示/違反報告)
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