85. 過去 ページ39
ルイス「…そんな、ことが…」
『も、もう嫌だ…お父様がっ…違う！！あんな人！父じゃない！！』
ルイス「落ち着いて。聞こえてしまったら大変だよ」
涙を流す僕の頬に手を添え、優しく微笑んでくれるルイス。
…何でそんなに、優しい顔をしてくれるの？
ルイス「…逃げよっか、A」
『…ぇ、？』
ルイス「考えてもみて？おかしいよ。血の繋がりのない相手を暴虐して苦しめて、何年も何年も自分の子だと嘘を吐きながら酷い扱いをしてきてるんだ。…そんな人に、情を持つ必要もないし…こんな所に居続ける理由なんて、ないでしょ？」
…いつもにこにこして優しいルイスから、その言葉が出るなんて。
思ってもいなかったことに、言葉を失ってしまう。
ルイス「相手は両親を殺した人殺しなんだよ」
『そ、だけど、逃げられる、かな…』
ルイス「…うん、逃げられないかもしれない。でも僕がAを逃がしてあげる。…イデアくんに連絡入れておこう、迎えに来てくれるよ。きっと」
ルイスが得意な魔法、所謂ユニーク魔法は…簡単に言う所のテレパシーのようなもので。
その場に居ない人にさえ、伝えることが出来るものだった。
『でも、ルイスだけじゃなく、イデアくんまで巻き込むなんて…』
ルイス「話してはあるんだ、いずれAを此処から連れて逃げるかもしれないって」
『…そう、なの？』
ルイス「うん。イデアくんも、Aが辛い目に遭っているのは嫌だから協力してくれるって。だから大丈夫、何も心配しなくて良いんだよ」
優しく僕の頭を撫でるその手が、僕はとても大好きで。
ルイス「…その前に、また髪切っておこうか」
『ぇ、ぁ、うん』
…僕の髪の毛には魔法が宿っている。
それを知ったのは数年前で、ルイスが怪我した時だった。
調べた所、その魔法を宿している場合は髪を切れなくて…母親以外では一人に一人しか切れないはずで。
…僕にとってその一人は、ルイスだったんだ。
ルイス「…やっぱり、Aの髪は綺麗だね」
『ルイスの髪も綺麗だよ』
ルイス「…そっか」
シャキン、シャキン、と軽快な音が鳴り響く。
…凄く心地よくて、眠りそうになってしまうほどだ。
ルイス「…変わったね、A」
『そう、かな？』
ルイス「うん。…大好きだよ、可愛いA」
…ああ、何だか泣きそうだ。
望んでもいない、別れが訪れそうで。
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雪見大福 - 最近見始めましたー！おもしろいですねー！そこで、少し質問？があるのですが、５６話あたりの治療法？って、塔の上のラプンツェルの治療法ですよね？？間違っていたらすみません (2020年7月20日 2時) (
レス) id: 00f6e3e8da (このIDを非表示/違反報告)
痲酔 - この場面で思ったこと……アズールツンデレ乙!!ww まだまだがんばってくださいね!!あなたの作品好きです!!キャーーと本当にさけんでいましたw (2020年7月6日 20時) (レス) id: 7c4adda471 (このIDを非表示/違反報告)
海遊(プロフ) - 続編おめでとうございます！2作目も大変心が潤いました！！次もこのまま拝読致します！これからも応援してます！ (2020年7月5日 19時) (レス) id: ae74ce0628 (このIDを非表示/違反報告)
雲雨(プロフ) - 空さん» ありがとうございます〜！！作品だけじゃなく作者まで好きと言って頂けるとは思ってもいなかったので凄く嬉しいです！完結までまだかかりそうですが、頑張って書いていくのでよろしくお願いします！応援ありがとうございます、更新頑張ります！！ (2020年7月2日 16時) (レス) id: d8253c3587 (このIDを非表示/違反報告)
空 - 続編おめでとうございます、好きです！！本当にこの作品も作者さんも大好きで、完結するまで絶対見ます！これからも頑張ってくださいね。応援しています…！ (2020年7月2日 15時) (レス) id: 9af7c9ab91 (このIDを非表示/違反報告)
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