83. 過去 ページ37
『あっ、る、るいす、ルイスっ！！』
ルイス「ぇ、A？こんな時間にどうしたの…？」
『み、えて、見えちゃっ、ど、どうしよ、ぼく』
ルイス「A…？落ち着いて！」
12歳になったある日のこと。
深夜だと言うにも関わらず、僕はルイスの部屋に飛び込んだ。
『あっ、ああっ…僕、僕は、』
ルイス「大丈夫、大丈夫だよ。大丈夫だからね？ほら」
とんとん、と優しく背中を撫でてくれるルイスに抱き着く。
…その優しい手に少しだけ落ち着き、深呼吸する。
ルイス「…どうしたの？見えた、ってことは…例の魔法？」
『…う、ん』
頭を優しく撫でてくれるルイスの手に安心しながら、静かに話す。
『あのね、僕、今たまたま起きちゃって。少し部屋の外に、出たの』
ルイス「うん」
『…そうしたらね、お父様も起きてて』
ルイス「そっか」
『…それで、ね。…お父様の、過去が、見えちゃって』
そう言うと、目を見開いて驚いた顔をするルイス。
…僕も、驚いた。
物にしか発動しないと思っていたのに、人に使えてしまったのだから。
ルイス「…それで、どんな過去だったの？」
『…お父様、が』
…考えるだけで、息が出来なくなりそうで。
でも、どうにか伝えたくて。
『っ…僕の両親を、殺したっ…！！』
ルイス「…何、言ってるの？両親って…お父さんがあの人で、お母さんは病気で死んじゃったん、でしょ？」
『違ったの、違ったの…！！父は、僕が生まれて少しした頃家を出てて、それは僕達を守るためで！！…あの人が、お父様が、僕達を狙ってしまうかもしれないから…父だけ出て、居場所をくらますためで…』
ルイス「ちょ、ちょっと待って？じゃあ、あの人は…？」
僕だって信じたくない、でも…あれは本当だって、僕の本能が…記憶が、言ってるの。
『あの人はっ…僕とは血の繋がりも何もない、ただ母のことを愛しただけの人…でも母は、あの人を愛さなかったっ…だからっ、ずっと僕達を狙ってて、それで…』
ルイス「…そっか、そうだったんだ」
そう言ったルイスの瞳は、何処か怒りに染まっていて…それでいて、悲しそうで。
ルイス「…それで、お母さんは…？」
『っ、あ、お母様、は…』
ルイス「ゆっくり、ゆっくりでいいから」
…ルイスも何かあるって分かったのに。
それに気付いていながら自分で精一杯で。
僕は母の話を始めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 714人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪見大福 - 最近見始めましたー！おもしろいですねー！そこで、少し質問？があるのですが、５６話あたりの治療法？って、塔の上のラプンツェルの治療法ですよね？？間違っていたらすみません (2020年7月20日 2時) (
レス) id: 00f6e3e8da (このIDを非表示/違反報告)
痲酔 - この場面で思ったこと……アズールツンデレ乙!!ww まだまだがんばってくださいね!!あなたの作品好きです!!キャーーと本当にさけんでいましたw (2020年7月6日 20時) (レス) id: 7c4adda471 (このIDを非表示/違反報告)
海遊(プロフ) - 続編おめでとうございます！2作目も大変心が潤いました！！次もこのまま拝読致します！これからも応援してます！ (2020年7月5日 19時) (レス) id: ae74ce0628 (このIDを非表示/違反報告)
雲雨(プロフ) - 空さん» ありがとうございます〜！！作品だけじゃなく作者まで好きと言って頂けるとは思ってもいなかったので凄く嬉しいです！完結までまだかかりそうですが、頑張って書いていくのでよろしくお願いします！応援ありがとうございます、更新頑張ります！！ (2020年7月2日 16時) (レス) id: d8253c3587 (このIDを非表示/違反報告)
空 - 続編おめでとうございます、好きです！！本当にこの作品も作者さんも大好きで、完結するまで絶対見ます！これからも頑張ってくださいね。応援しています…！ (2020年7月2日 15時) (レス) id: 9af7c9ab91 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
