79. 過去 ページ33
父「相変わらず気味の悪い奴だな」
廊下で行き会った時、そう言われる。
この人は、僕の父ではないのだろうか。
どうして毎日、僕のことをそんな目で見てくるのだろう。
父「瞳だってそんなに気味の悪い色をして…」
『っ、ぁ、』
目の色もダメなのか。
生まれつきのものも許されないのか。
そう思い、目を隠す。
…前髪もちゃんと伸ばそう、…と言っても、髪を切った記憶さえないけれど。
…この長さだと、分けなければ前が見えないんだ。
父「魔法も、声も、髪も、瞳も…何一つ母親に似なかったな、お前は」
きっと、この人は母のことが大好きだったのだろう。
だからこそ、母に似ていない僕のことが嫌いなのだろう。
…仕方ない、仕方ない…諦めなければ、我慢しなければ。
父「何も継ぎやしなかった、何でお前が生まれてきたんだ」
『…ぇ、』
…決定的な瞬間だった。
父が、僕を愛していないことが分かった…。
…生まれてきた意味がないと言うことが、改めて分かった…そんな、瞬間。
ライアン「おとうさまー！！」
父「おお、ライアンか！今行く！…とっとと其処から消えろ、出来損ない」
それだけ言ってライアンの元へと歩いて行ってしまう父。
その場にしゃがみ込んだらきっと、見つかった時にまた怒られてしまう。
そう思い、重い足を引き摺って歩く。
…そして、自分の部屋に辿り着く直前で座り込む。
『…ぁ、また、怒られちゃ…』
…もう、何でも良いのではないだろうか。
怒られようが、何しようが…どう頑張ろうと、僕はあの人に愛されることもないのだから。
『…お母様は、どうして僕をおいていってしまったの？』
愛されている母ではなく、僕が死ねば良かったのに。
父の期待にも添えない、誰にも愛されない…そんな僕、死んでしまえば良いのに。
『ごめんなさい、ごめんなさいっ…やだよぼく、』
愛されたかった。
良い子だなって、頭を撫でて欲しかった。
食事に行こう、と手を繋いで欲しかった。
…ライアンに、兄弟にしていることを、僕にもして欲しかった。
…ぼくはただ、お父様に、認めて欲しくて、愛して欲しくて、
『…どうして、僕は、僕なんだろう』
僕で居てごめんなさい。
生まれてきてごめんなさい。
存在してごめんなさい。
『ごめんなさい…本当に、ごめんなさいっ…』
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雪見大福 - 最近見始めましたー！おもしろいですねー！そこで、少し質問？があるのですが、５６話あたりの治療法？って、塔の上のラプンツェルの治療法ですよね？？間違っていたらすみません (2020年7月20日 2時) (
レス) id: 00f6e3e8da (このIDを非表示/違反報告)
痲酔 - この場面で思ったこと……アズールツンデレ乙!!ww まだまだがんばってくださいね!!あなたの作品好きです!!キャーーと本当にさけんでいましたw (2020年7月6日 20時) (レス) id: 7c4adda471 (このIDを非表示/違反報告)
海遊(プロフ) - 続編おめでとうございます！2作目も大変心が潤いました！！次もこのまま拝読致します！これからも応援してます！ (2020年7月5日 19時) (レス) id: ae74ce0628 (このIDを非表示/違反報告)
雲雨(プロフ) - 空さん» ありがとうございます〜！！作品だけじゃなく作者まで好きと言って頂けるとは思ってもいなかったので凄く嬉しいです！完結までまだかかりそうですが、頑張って書いていくのでよろしくお願いします！応援ありがとうございます、更新頑張ります！！ (2020年7月2日 16時) (レス) id: d8253c3587 (このIDを非表示/違反報告)
空 - 続編おめでとうございます、好きです！！本当にこの作品も作者さんも大好きで、完結するまで絶対見ます！これからも頑張ってくださいね。応援しています…！ (2020年7月2日 15時) (レス) id: 9af7c9ab91 (このIDを非表示/違反報告)
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