78. 過去 ページ32
父「どうだ、例の魔法は使えそうか？」
「それが、まだ微弱で…」
父「はあ…」
魔法の稽古をしていると、父は時々それを見に来た。
ライアンが居る時は絶対に怒号を飛ばしたりしてこない。
でも居ないと、すぐに…
父「お前は本当に私を怒らせるのが得意だな！！」
『っ…ごめんなさいっ、ごめんなさい…』
…すぐに、大きな声で怒るんだ。
それで涙を流してしまえば、まるで汚らわしいものを見るかのような目で見てくる。
…それが、苦しくて、怖くて…嫌だから、良い子にしたいのに…
父「お前の母親はあんなに綺麗に花を咲かせる魔法が使えた」
『ご、ごめんなさっ…すぐ、使えるように、なるので…』
父「はあ、顔を下に向けるな！！…まあ上に向けられても一緒だがな、お前は顔も良くない」
頬を片手でぐっと掴まれ、上に上げられる。
その持ち方が荒くて、痛くて、やめて欲しいのに言えなくて。
父「お前の母親はあんなにも美しかった」
『ご、めんなさ…』
父「何でお前はそうなんだ！！！」
地面に叩きつけられる。
…痛い、痛いなぁ…また身体に痣が出来てしまいそうだ。
父「…それに何より、あの美しい髪を持っていたのに」
『い、痛い！！やめて！！』
髪を掴まれ持ち上げられる。
いたい、痛い、やめて、どうして
父「何故お前の髪は黒いんだ。母親みたく金色だったら…そして、あの魔法を使えたら…少しは違ったと言うのにな」
『ごめん、な、さい…』
父「その声を出すのをやめろ、お前は母親と違って声も美しくないんだ」
手を離され、上を向いた時には指導者の元へと歩いて行ってしまっていた父。
…いつまで僕は、この痛い思いをしなければならないのだろう。
父「もっと指導をきつくしていい」
「で、ですがA様はまだ幼く…」
父「私の言葉が聞こえないのか！！」
「っ、分かりました！！」
…どうして僕は生まれてきたんだろう。
それが分からなくなってしまったのが、まだ七歳の時で。
…いっそのこと死んでしまえれば、楽になれるのに。
「それでは次の指導に行きますよ」
『…分かりました』
…誰も、僕のことを助けてくれない。
誰も、僕が生きていることを望まない。
…あれ、僕って…どうして生きているんだっけ？
…おかしいな、…もう、何も分からないな。
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雪見大福 - 最近見始めましたー！おもしろいですねー！そこで、少し質問？があるのですが、５６話あたりの治療法？って、塔の上のラプンツェルの治療法ですよね？？間違っていたらすみません (2020年7月20日 2時) (
レス) id: 00f6e3e8da (このIDを非表示/違反報告)
痲酔 - この場面で思ったこと……アズールツンデレ乙!!ww まだまだがんばってくださいね!!あなたの作品好きです!!キャーーと本当にさけんでいましたw (2020年7月6日 20時) (レス) id: 7c4adda471 (このIDを非表示/違反報告)
海遊(プロフ) - 続編おめでとうございます！2作目も大変心が潤いました！！次もこのまま拝読致します！これからも応援してます！ (2020年7月5日 19時) (レス) id: ae74ce0628 (このIDを非表示/違反報告)
雲雨(プロフ) - 空さん» ありがとうございます〜！！作品だけじゃなく作者まで好きと言って頂けるとは思ってもいなかったので凄く嬉しいです！完結までまだかかりそうですが、頑張って書いていくのでよろしくお願いします！応援ありがとうございます、更新頑張ります！！ (2020年7月2日 16時) (レス) id: d8253c3587 (このIDを非表示/違反報告)
空 - 続編おめでとうございます、好きです！！本当にこの作品も作者さんも大好きで、完結するまで絶対見ます！これからも頑張ってくださいね。応援しています…！ (2020年7月2日 15時) (レス) id: 9af7c9ab91 (このIDを非表示/違反報告)
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