【HQ】第二王女は家出をしたそうです【王国パロ】 (ページ9)

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王国1日目の夜ページ9

北さんに案内された部屋に行き、用意されていたベットにごろんと寝っ転がった。
…今日は本当にいろんなことがあった。カラスノ王国から抜け出してまだ1日ぐらいしか経ってない。でも私は2日ぐらいここで過ごした気持ちだった。

(掃除に洗濯に料理…メイドっていうか、使用人って大変だったんだな〜…)

故郷の使用人たちに想いをはせるが、すぐに陰口のことが思い浮かんで、首をぶんぶんと振った。
…流石に、それで陰口を言っていい理由になるのか。でも、それなら愚痴をたくさん言った私も同じなのかな。
癖で、夜はいろんなことを深く考えてしまう。

(そういえば、北さん、私が間違ってもお稽古の先生みたいなダメ出しじゃなくってちゃんと教えてくれたな…)

また、心がぽかぽかと温かくなる。侑と一緒の時に感じたのもこれだ。そして、昔感じたことあるような…

(あ、あの時。そう、あ、そうだ。)

記憶が蘇ってくるのを感じる。そして、1人の人物がくっきりと脳裏に浮かび上がった。
黒髪の、男の子。

｢あの子、元気かなぁ…。｣

きちんと記憶を思い出そうとしても、なんだか瞼が重くなってくる。次第に意識は薄れて、スパンっと切れてしまった。

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朝、朝食を食べたら、本格的にメイドとしての仕事が始まる。
…よし、頑張らないとね。

朝食を食べ終え、食堂を出る時に侑に遭遇する。
侑はぽんっと私の肩に手を置いた。

｢頑張れよ。メイドの浅井めいさん。｣
｢…うん、頑張るね！｣

そう元気よく言って食堂を出た。