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執事長とご対面 ページ6
｢ここは…？｣
一つの扉の前で侑が立ち止まったため、聞いてみる。侑はなんだか少し身震いをしているように見えた。
｢ここは、執事長室でな。そのぉ…北さ、執事長はなんちゅうか、怖いっちゅうか隙が無い感じっちゅうか…｣
そう怯えたように口をモゴモゴさせながら、侑は続ける。
｢あー、堂々と言ったはいいんやけど、実はちょっと恐ろしくって…｣
｢え？はぁ？｣
｢と、とりあえず会ってみれば分かると思うから！！｣
そう言ってトントントンと扉をノックして｢北さん、いますか〜？｣と震えた声で言う。すると扉越しから曇った声で、｢侑か。ええよ。｣と声がした。
(執事長が、王子に敬語…？)
不思議に思っていると侑が扉をガチャっと開ける。目にバッと飛び込んできたのは、髪が白髪でしたがちょっと黒っぽくなってる男の人が、部屋を掃除している風景だった。
｢…侑、誰やそいつ。｣
｢ここでメイドで働かせてほしいって言ってきた…｣
そこまで言い終えると侑は｢名乗れ｣と言わんばかりの眼差しを向ける。
｢えっと、メイドとして働きにきました！あさ…浅井めいです！｣
とっさに思い付いた名前でその場をしのぐ。執事長はこっちをしばらくじっと見ていたが、口を開いた。
｢あんた、カラスノ王国の王女さんやろ。｣
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作者名：茉凛 | 作成日時：2022年8月20日 21時
