王族愚痴大会 ページ4
「な、はぁ?家出?なんでや。」
と私の大きな声に驚いた困惑気味に王子が聞いてくる。
「王宮にいたら私が持たないんです!父と兄は無能な私に軽蔑の目を向けて、あれしなさい、これしなさい、なんでできないの、第二王女なんだからって好き勝手!使用人は私の陰口ばっかり!しかも聞こえるように言ってきて!それに姉の哀れみの目!それがいっちばん嫌い!もうあんなところいたら腐ってもおかしくな…あ。」
ついつい、長年溜め込んだドス黒い愚痴を吐き出してしまった。きっと引かれただろう。恐る恐る王子の顔を見る。
「す、すみませ…」
「わかるわ〜、むっちゃわかる!」
私が謝罪を言い終える前に王子が私の手を握って共感の目でこっちを見って言った。思いもしなかった様子に私はきょとんとする。
「俺も王になるものうんたら〜って親父が説教っぽいものするし、俺がやりたいことやったら使用人は信じられないみたいな顔でヒソヒソ。俺やって人間なんやから、やりたいことやってもええやん!」
「そうですよ!私たちは王族って前に人間なんです!」
という感じで二人で愚痴をボロボロ。
「よし、今から俺はお前のことをAって呼ぶ!やから、敬語も無しやし、俺のことも侑って呼んでええ。」
「な、どうしたんで…どうしたの、急に?」
急に言い出すものなので、動揺しながら聞く。侑はまっすぐ私の目を見た。
「俺が今から、Aが住む場所を紹介したる!」
堂々と胸を張ってはっきり言い放った。
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作者名:茉凛 | 作成日時:2022年8月20日 21時