イナリザキ王国の王子 ページ3
「兄貴、こいつはあれや。個 ここの王子や。しかも、騎士団長の方の…」
「そんなん関係ないやろ。俺らは最高の獲物を見つけたんやで。しかも見てみろや。その王子はよわっちい見た目やで。」
男三人衆のヒソヒソと話が聞こえたのか、王子は「あ?」と機嫌悪そうに吐き捨てる。
「とりあえず、おっさんたちその子をはなしぃや。」
「そんなん素直に聞くわけないやろ。ほら、お前らやったれ。」
と、リーダーっぽい人が他二人に指示すると、そいつらは剣を抜く。それを見て、王子の方も剣を抜いた。
「ドリャアアア!」
と、子分2人が王子の方に攻撃をしようとすれば、それを王子は受け流し、剣の柄で、二人の腹に一発ずつ入れた。たちまち、子分二人は倒れ王子の圧勝だった。
「はっはっは!どや、見ろ!よわっちくなんてないやろ!…は?」
王子がそんな間抜けな声を出すのもしょうがない。だって、もうリーダーっぽい人はとっくにおじけづいて逃げてしまったのだから。
「あ、ありがとうございます…えっと、宮侑さんですよね?王子の…」
侑王子は不服そうな顔をしていたが、こっちを向き直る。
「お前は、朝露A。カラスノ王国の第二王女のはず。…やけど、なんでここにおるんや?」
「それは…」
私は口をモゴモゴさせていたが、小さな声でつぶやく。
「家出です…。」
「はい?」
「家出、です!!」
恥ずかしさでつい大きな声が出てしまった。
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作者名:茉凛 | 作成日時:2022年8月20日 21時