推しとヲタク～Matori～ (ページ7)

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「ありがとうございます！」

お礼を言い握手された手を眺めて余韻に浸っていると

林「マフラー買う途中やなかった？ごめんな？邪魔して。
　ちなみに俺はえんじの方が似合うと思うよ！
　えっと何ちゃん？」

「A、です」

林「Aちゃん！この前もえんじの服着てたやんな！
　似合ってた！」

と、着て行ってた服まで褒められ半泣き状態で

「ありがとうございます！あのっ、買ってきます！これ」

と、さっき置いたマフラーのグレーをさっと元に戻して

えんじのマフラーをレジに持って行った。

《やばい…まと君としゃべっちゃった。遭遇しちゃった。
　マフラー選んでもらっちゃった。覚えててくれてた！！》

嬉しくて興奮しながら買ったばかりのマフラーの袋に

顔を押し付けて店を出ると

林「ちゃんと買えた？」

店の外で彼が待ってくれていた。

「え？あ、買えました！ありがとうございます！
　もしかして待っててくれてました？なんｔ」

林「うん。待ってた。」

冗談のように言おうとしたらそれを遮るように彼は言った。

林「ちょっと話したいことあってん。」

色々驚いて固まっている私に真剣な顔を向ける彼の目を

綺麗～って思いながら見つめていた。