推しとヲタク～Matori～ (ページ5)

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時刻は20時30分。

梅田でOLをしている私は年末も近いとあって

少し残業をして買い物をするために某商業施設に行った。

「えんじ色もええし、グレーもええなぁ～…」

昨年まで使っていたマフラーを

ヘアアイロンで溶かしてしまったため

新しいのを買いに来たが、色を迷い一人でぶつぶつ悩んでいた。

？「えんじ好きなんですか？」

いきなり横から顔をのぞかれ

マスクと帽子をかぶった人に声を掛けられた。

「え？あ、まぁ。はい。」

どこか聞いたことある声と目元だが頭の中で知り合いを探すより

怪しいという感覚のほうが先に出て本能的に逃げようと

マフラーを置いて早歩きでその場を去ろうとした時

男性は慌てて再度声を掛けてきた。

？「あ！まって！俺！」

やっぱりどこか聞きなれた声だと思い振り返ると

マスクを外して困ったように笑う男性。

その人はつい先日私を幸せにしてくれた大好きな推し君だった。

「え？あ、え！？」

自分の正体にやっと気づいた私をみて安心したように笑い

1歩2歩とゆっくり近づいてきた。

林「怖がらせてごめんやで、俺のことわかる？」

とびっくりした固まった私に優しく聞いた。

『もちろんです！大好きな愛しのまと君！！ファンです！』