17：目撃者 ページ18
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「…っ離して」
す「…」
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その体のどこにそんな力があるのってぐらい強い力で腕を引かれて、
気づいたら体育館裏まで連れてこられた
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え、わたし今からボコられるんですか
そう考えて自然と身構えてしまったら、
渋谷くんはゆっくり息を整えて口を開いた
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す「なんでやすやねん…」
「…はい？」
す「だから…っ、なんでやすの体操服やねん」
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渋谷くんに関係ないでしょ、って思ったけど
あまりにも悲しそうな顔をするから言えるわけない
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「渋谷くんのを借りようかなとか思ったんだけど…そのー…」
す「え、」
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まあ、こんな気まずい関係になってなかったら
たぶん渋谷くんのを借りてたと思うし…
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「…ほら！さっき渋谷くんいなかったしさ！」
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どっちにしろ、渋谷くんはいなかったし
これは安田くんから借りるようになってたと思う
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す「おったで、俺」
「…え、」
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す「ちょうどトイレから出た時に教室に入っていく姿が見えたから、
もしかして俺に用かな、とかちょっと期待してもうて早足で戻ったらやすから体操服借りてて…」
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ねえ渋谷くん
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なんでさっきから
そんな悲しそうで悔しそうな顔をして話すの？
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作者名：す・あやせ
| 作成日時：2018年2月16日 13時
