私は今日も貴方に溺れる 2

16 ページ16

・









・









『帰らないで、って言ったら…？』









…ワガママ、しちゃった。









今の私はずるいと思う。

キスした後に抱きついて…帰らないで、なんて。

面倒な女に引っかかった、なんて思ってる？









「…泊めてくれんの？」

『…は、はいっ』









それでも隆二さんは優しいから、私のワガママを
困ったように受け入れる。









「車も…停めれる？」

『…はい、そこの駐車場に笑』









・









・









・









『テキトーに座ってください！』

「うん、お邪魔します」









片付けといてよかった…、

って違うからね！

隆二さん家に呼ぼうなんて、思ってなかったからね！









騒がしい頭の中を一旦冷静にさせながら、

紅茶を注ぐ。

ハチミツ入りのやつ。









チラッと、ソファに座る隆二さんに目をやると、









『こ、紅茶淹れてます！』


「うん、見えてる笑」









甘いその瞳でこっちを見てる。









私の家に…隆二さんが居る。

付き合ってそろそろ1ヶ月が経とうとしている。

私が隆二さんちにいくことはあったけど、私の家は初めてで…なんか、恥ずかしい。









なんて、グルグル考えてると







「まーだ？」







耳元で囁かれたその声に思わず、

『うわっ！』

と声を上げた。









「紅茶、ありがと」









私の手からハチミツ入りの紅茶のカップをスっと取ると、もう片方の手で私の手首を緩く掴んだ。


手を引かれてソファに座ると、紅茶を一口喉に通して

「うま！これ！」って無邪気に笑った。









耳元で囁いたかと思ったら、今度は子供みたいに無邪気に笑って…


コロコロ変わるその表情に私はもう溺れてるんだ。









・

17→←15

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す