13話 ページ14
Aに電話をかけ3コール目で電話に出る。
翼「もしもーし、家着いた?ちゃーんと、暖かくして寝るんだぞー」
彼女が家に着いたかどうかが気になり電話をした。
あとは…もう少しだけ声を聞いていたいってのもある。
「ご心配ありがとうございます。…他に何かあります?」
翼「他!?他…には、特に……」
「ないなら切りますけど…」
特別何か用があって電話した訳では無い事を伝えると早々に電話を切ろうとするA。
翼「あーっ、待って待って!…用がないと電話しちゃ駄目?俺はさ、Aの事好きだから用がなくても電話したい。…声、聞きたいし」
自分の部屋のソファで数十分前に彼女が抱いていたリッズくんを今度は俺が抱きしめる。
気のせいかもしれないけど…Aの香りがするし。
俺の気持ちを聞いては溜息を吐くのが聞こえた、迷惑かな?と悲しくなったが彼女は仕方なさげに話し出す。
「私の声なんて聞いてなんか特になります?まぁいいですけど…。今日はすみません。せっかく誘ってもらったのに…。」
翼「いや、それはいいんだけどさ…やっぱり理由、聞いちゃ駄目?」
俺と同じ気持ちなのに、付き合えないと言われた。
なので…どうして付き合えないのか再び問うとすみません、と謝られるだけ。
翼「俺と同じ気持ちならさ、好きって言ってほしいなー…とか、思ったり?」
俺はAに好きだと告げているが彼女からはまだ言われていない。
こだわりでもあるのだろうか?
「奥井先輩のこと、す、す…、…嫌いじゃない。」
好きという二文字なのに、彼女は言葉を詰まらせ最後には嫌いじゃない。と告げる。
ガクッとずっこけるような仕草を一人ですると更に言葉を続けられる。
「私の気持ちは置いといて。もうすぐクリスマスですね。夜、予定空いてるんですけど…先輩は?」
クリスマス当日はラジオがあるが、その後はメンバーでパーティをする事になっている。
Aが暇だというなら一緒に過ごしたい。
だから、俺達の寮に来ないかと聞く。
皆がいるなら自分は邪魔になるのではと断られそうになったが半ば強引に誘う。
翼「17時頃にソリラジが終わるからその後になるけど来て!てか、皆でわちゃわちゃした方が楽しいから来てください!」
迷ったような沈黙の後、了承される。
「じゃあ、会う約束もしたんで切りますね。…おやすみなさい」
そして、お互いおやすみと告げてから電話を切った。
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作者名:るーこ | 作成日時:2018年8月14日 15時