12話 ページ14
コメ欄を見てみると
"心が洗われる歌声"
"まさにクリスタルボイス"
"こんな感動させるように歌える流れ星さんすごい"
"声が聞こえる度に涙した"
などなど書かれていた。
ま「みんなAさんの歌に込められた気持ちを感じとってくれたんだよ」
そ「本当にどうやって歌ったらこんな上手に歌えるんだ?」
「あ、ありがとうございます…」
お、恐れ多い…。
二人に誉めてもらえるなんて。
長年歌い手をやっている人達ごめんなさい。
こんなぽっと出の私がごめんなさい。
ま「あ!僕、Aさんがどういう気持ちでこの歌を歌ったのか聞きたいです!!」
私が若干遠い目をしつついるとまふまふさんがそんなことを言い出した。
どういう気持ち、か…。
なんだろう…。
あのときの私の気持ちは
「自分という存在があることを頭ではわかっていても確かめられない。
だから、他の人に存在を確かめてほしい。
でも、こんな惨めな自分なんか嫌い。
何もかもいらない。
矛盾する気持ちを抱えつつも生きていかなきゃいけない辛さをわかってほしい…みたいな感じですかね」
まそ「………」
二人とも黙っちゃった。
少し歌詞に対して重かったかな?
でも、私は最近ずっとこの気持ちを抱えながら過ごしてるから違和感ないんだよね。
歌は自分なりの解釈で歌うからわかってもらえない場合もあるの知ってる。
だからわかってもらえなくても良いんだ。
何か伝わるものがあるのなら。
.
.
.
そ「…Aのことをわかってくれる人はこんなにたくさんいる。Aはちゃんとここにいるよ」
ま「…僕はAさんのこと嫌いになりません。安心していいですよ」
時計の秒針が空しくなる音がそろそろうるさく感じるようになったころ、やっとそらるさんとまふまふさんが口を開いた。
ああ、この人たちは。
さっきの話から
.
.
私の一番欲しかった言葉を探し当ててプレゼントしてくれた。
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作者名:空白 | 作成日時:2019年11月12日 18時