第30話 ページ33
「！？なんだこりゃあ！」
「チッどこから涌いて来やがるんだ…！」
身動きのとれない3人に清一色は話しかける。
「百眼魔王はムカデの妖怪でした」
「ムカデは大顎に持つ毒液で昆虫を捕らえるんです。ホラ、早く逃げないとそれだけの量に咬まれれば命にかかわりますよ？」
「＿＿＿っ」がく…
「八戒！！」
「…憎しみが足りませんか？」
清一色は膝をついた八戒の顎をぐいっと持ち上げる。
「さあ、よぉくご覧なさい、ムカデ野郎の息子の顔を」
がばっ
八戒はムカデに捕らわれていた右手を抜き出し、清一色を殴ろうとする。
「おっと」
しかし容易に避けられ、さらには腹に肘打ちされ、馬乗りになって頭を押さえつけられてしまった。
八戒は呼吸を乱し、清一色を下から睨む。
「ああ、だんだんイイ顔になってきた。貴方の痴態と殺意だけがワタシの心を満たしてくれる」
「＿それ以上喋るな、耳障りなんだよ」
三蔵が冷静に口を挟んだ。
「俺がこの世で嫌いな物ベスト3のうち二つ、教えてやろうか」
「是非、お伺いしたいですね」
「変態と虫ケラだ」ﾄﾞｵｯ
「＿＿＿と！」ばッ
三蔵は魔戒天浄を発動させ、ムカデを消し去る。
清一色は後ろに下がろうとした。しかし…
「……ッ！！」ｶﾞｸｯ
清一色は経文に紛れた錫月杖の鎌の不意打ちをくらい、右腕を切り落とされてしまった。
「…なんかさー久々にブチ切れそーだわ。スゲーな、この温厚な俺がよ？」
「チッ！」
「！？……経文が…」
悟浄が清一色の相手をしている間、三蔵は自分の周りに広がった経文が元に戻らず、さらにはAを取り囲んでいくことに気づく。
Aはただただ突っ立っていた。
「！！」
しかし次の瞬間、Aの服の裾が風でなびき、Aの腹に刻まれていた経文の文字が魔天経文と共鳴するように光った。
「……うっ」
やがて光も魔戒天浄も収まり、完全に消えると、Aはうめき声を上げ、膝から崩れ落ちる。倒れそうになったが、すんでのところで三蔵に抱きとめられ、三蔵はAに呼びかける。
「おい」
「…………」
(…気絶してるのか、だがもう操られてはいないようだな。)
三蔵はAの安否を確認すると、Aを抱き上げ、近くの木に寄りかからせた。
Aを一瞥し、くるりと向きを変え、三蔵は悟浄と八戒の元へ歩き出した。
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中途半端で申し訳ないです。
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蒼鈴蘭(プロフ) - SEA さん» ありがとうございます！これからも楽しく見てもらえたら嬉しいです。 (2017年11月17日 23時) (
レス) id: 6d02c817f4 (このIDを非表示/違反報告)
SEA - あわわわ！この作品大好きです！更新頑張って下さい！ (2017年11月17日 16時) (レス) id: 0176f8595c (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - 玄狐さん» 了解しました。内容が決まり次第、書かせていただきますね。 (2017年9月22日 0時) (レス) id: 96c14fa220 (このIDを非表示/違反報告)
玄狐(プロフ) - リクエスト、お願いします！ 夢主ちゃんと三蔵一行がお化け屋敷に行くお話を読みたいです！(少し季節外れですけど...) (2017年9月21日 20時) (レス) id: 77326f84bb (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - 銀岬さん» リクエストありがとうございます。了解しました。そのうち書きますね。 (2017年9月17日 23時) (レス) id: 96c14fa220 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼鈴蘭 | 作成日時：2017年8月18日 21時
