第18話 ページ18
「逃げやがった…！？」
『＿＿逃げはせん！！覚えていろ！必ずや戻ってくる』
悟空の前から姿を消した六道の声が、遠くから聞こえてきた。
『その時は貴様らを、貴様ら妖怪全てをこの呪符の肥やしにしてくれるわ…！！』
(六道…確かにもう一度必ず現れるでしょうね。彼自身があの札の支配から逃れられない限り…)
(三蔵は傷口だけでも塞ぐことができたし、残る問題は＿＿)
八戒は今の状況を脳内で整理し、対峙する悟空と悟浄を見た。すると……
「八戒さん！！」
「！Aさん」
Aが起きてしまったようで、八戒の元まで来ると、荒くなった息を整えた。
「さっき三蔵さんを呼ぶ声が聞こえたんですけど、大丈夫ですか！？それに、この状況は一体…！？」
そう言うと、悟空と悟浄が争っている様子を心配そうに見つめた。
八戒もそれを一瞥し、そしてAを真っ直ぐ見た。
「すみません、状況は後で説明します。しかし今は危険です！こっちへ！！」
「！！」
八戒はAの手を掴み、三蔵が寄りかかっている所まで誘導した。
「！三蔵さん！！」
「Aさんは、ここで三蔵をみていてください。」
三蔵に駆け寄り、腹の血を見て、驚き、泣きそうになったが、八戒の言葉に涙をこらえ、強く頷いた。
「…これでも食ってな！！」
「！！」
再び悟空達の元へやって来た八戒だったが、悟浄は自分の腕を悟空に食わせていた。
「悟浄！！」
「〜〜〜目ェ覚ましやがれッこのバカ猿…ッ」
悟浄が悟空の頭を押さえ付けたその時…！！
『＿＿そのまま抑えておけ！！』
「な…何だァ！？」
悟浄の頭の中に声が聞こえたと思ったら……
ﾋﾞｸﾝ
悟空の頭に光輪ができ、そして……
カシャン
「悟空…！！」
金鈷がはめられた。
悟空の姿は元へ戻り、意識を失って倒れそうになった所を、悟浄が抱きとめる。
「寝てやがる…」
「今のは一体…？」
ｻﾞｯ「＿＿ったく」
「だらしないねーー」
「あ…貴女は一体…！？」
「…よォ」
そこに現れたのは、派手な格好をした女のような人と、その後ろには呆れたような顔をした男性だった。
「っはあっ、はあ…」
「クソッ！！あのガキ、一体何者だ！？畜生……よくも＿＿＿」
(…全て失った。俺にはもう何も残っちゃいない。)
思い浮かぶのは江流の顔。
「ひひっ…ククク…」
『殺シテヤル』
『ミンナミンナ殺シテヤル』
六道の目には涙が流れ、口元は上がっていた。
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蒼鈴蘭(プロフ) - SEA さん» ありがとうございます！これからも楽しく見てもらえたら嬉しいです。 (2017年11月17日 23時) (
レス) id: 6d02c817f4 (このIDを非表示/違反報告)
SEA - あわわわ！この作品大好きです！更新頑張って下さい！ (2017年11月17日 16時) (レス) id: 0176f8595c (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - 玄狐さん» 了解しました。内容が決まり次第、書かせていただきますね。 (2017年9月22日 0時) (レス) id: 96c14fa220 (このIDを非表示/違反報告)
玄狐(プロフ) - リクエスト、お願いします！ 夢主ちゃんと三蔵一行がお化け屋敷に行くお話を読みたいです！(少し季節外れですけど...) (2017年9月21日 20時) (レス) id: 77326f84bb (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - 銀岬さん» リクエストありがとうございます。了解しました。そのうち書きますね。 (2017年9月17日 23時) (レス) id: 96c14fa220 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼鈴蘭 | 作成日時：2017年8月18日 21時
