bitter 【文スト】 【暗殺教室】

苦味8％ ページ10

鳴呼……どうして何時も一瞬でもあの人(太宰)を思い出してしまうのだろう。
でもその理由は解っている＿＿＿＿＿＿＿



「会いたい…」


ボソッと呟いた独り言。



途端にブレーキが掛かり、車が止まる。シートベルトを着けていなかった私の体は前に投げ出された。


「痛った!!危っないわね!!どうしたのよ!? 」


「……誰に会いたいって？」



自分でも云ったのが解らないくらいの小さな声だったはずなのに、彼には聞こえていた様だ。


「私そんな事云ったかしら？」


「鳴呼…云ったなァ」


顔は何処かを向いていてよく見えないが、機嫌が悪なったのはオーラと声のトーンで解る。




「自分でも何故云ったのかわか＿＿＿＿＿」





「んっ……ふぁ…んん」





誤魔化そうとした瞬間唇が塞がれた。

何？こんなの慣れてるはずなのに、唇を中心に熱が広がって行くのが解った。







「んっ…ぷはぁ…き、急に何!?」



「言い訳するな…手前の思ってる事位解る。彼奴の事を考えるのは1000歩…それ以上譲って良いとする。けどなァ…あまり口に出すな」








やっぱり旦那様には全てお見通しって事ですね。
でも、不意討ちはちょっと……



「…ご免なさい… 」





「ぁぁあ！ そんな顔すんな俺も…すまねぇ」



すると申し訳なさそうにしゅんとした。こんな顔したとこあんまり見たことないな。



別に謝らなくてもいいのに…





「て云うか、中也って独占欲強いわよね〜」


ちょっとからかうと


「はぁ!!強くて何が悪い！」

顔を真っ赤にして反抗する中也。可愛い。



そしてそのまま車を発進させる。

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