bitter 【文スト】 【暗殺教室】

●苦味３％ ページ5

にしても、如何やって問題を起こせば善いのだろうか？





ポートマフィアだと云う事は知られてはいけないから、少しの間は本校舎の生徒でいた方が善いわね。其れから……うーん、如何しましょう。




……あ、そうだわ！何処かのクラスの底辺に成って、クラス内で人気の男子と仲良くすれば善いんだわ。転校生という名目なら沢山接せるもの。



それで、イジメられるように仕向けて、私が反抗する。底辺の私が反抗したら、大事にするでしょうね。そして、E組行き。



でも、何処のクラスが善いかしら？





資料をパラパラと捲っていると、一人の人物に目が止まった。




其の人物は理事長の一人息子であり、3年A組のリーダー。否、此の学校の、と云った方が正解だろう。何せ、彼は生徒会長のようだし。




善し善し、此の子にしましょう。でも、A組は特進なのよね。這入れるかしら？……まぁ、其の時は其の時ね。




作戦を考え終えた私は、聞いて頂戴よ、中也！、と旦那に話し掛ける。







「今日の男の愚痴か？」


「そう！今日は部下だったの。勿論私は、仕事として寝たのよ？なのに彼奴ったら、途中からタメに成るし、私の事名前呼びし出すのよ?!意味不明よ！」


「其れはお疲れさん」


「然もね、首領に呼ばれてるのに止めようとしないのよ？まぁ、言葉で攻めたら止めたけど。ほんと、相手間違えたわ。芥川さんが来て呉れたから助かったけど」


「……芥川？」


「嗚呼、芥川さんが呼びに来て呉れたのよ」






そうか、と中也は素っ気無い返事。私が男と寝た話をする時は何時もこう。



自分で了承しといて、そんなに厭なのか？







「素っ気ない」


「……」


「貴方が善いって云ったんでしょ？私を奪う代償として」


「悪ぃな。Aには好きな奴が居たのに」


「……過ぎた事を一々気にする心算は無いわ」






なんて恰好つけるけど、彼の人の事は今でも引き摺っている。






私の初恋の人。



私が初めて躰を重ねた人。



ポートマフィアを裏切って、何処かに行ってしまった人。






之だから、別れは厭に成る。



胸に厭という程の苦味が広がるのだから。

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