bitter 【文スト】 【暗殺教室】

苦味10％ ページ12

「着いたよ。此処が今日使う教室。他にも教室は沢山在るから覚えておくといいよ」


「あ、ありがとう…」

大人しい子を演じるため、喋るときはたまにどもるようにする。



それにしても思ったより広いのね。此処の校舎…私は広く造らなくても良いような気がするわ。


「じゃあ、伊藤さんは此処に座って」

「あ、うん!」


教室に入ると妙に静かな空間が広がっていた。

流石A組。と云う事なのかしらね。


そして、指定されたのは浅野君の隣。これはチャンスね…


.





＿＿ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ

教師が入って来ると今まで予習などをしていた生徒達の目が一斉に教師へ向く。



学校ってこんなにも緊張感のある物なのかしら…




「では、教科書96頁を開いて」

指示が出ると教室全体に頁を捲る音がする。


行動に出ましょうかね＿＿＿



「あ、浅野君…あの、教科書見せてくれないかな？」

「鳴呼。今は此処だ」

「ありがとう。」

ちょっと距離を取り教科書を見る様にする。

「…見え難くないのか？もう少しこっちへ来てもいいんだよ」


＿＿＿＿＿＿待ってました♪



「あ、う、うん!」

近すぎと思う位では無いが普通よりは近い位の位置に移動する。

「!?」

すると、少し驚いている様子の浅野君。

よし…いい調子ね。このまま授業を受ければ向こうも私を意識するだろう。



.







＿＿＿ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ


終了のベルが鳴る。
今まで教室中に響いていたシャーペンの音がすっ…となくなった。



その瞬間私が思った事は

「つ、疲れた…」

「大丈夫か？」

大丈夫な筈が無いだろ!!……進むの何か早いし、教師何か早口だし!!


「う、うん!大丈夫だよ。慣れない環境で勉強したからちょっと緊張しちゃってて…」

少し笑って見せる。

「……そうか。早く馴れるといいな。教室に戻ろう。」


う〜ん早急ので少しは気を持ったでしょ。

「うん!!」









これからがも〜っと楽しみね…

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