はぁ…また天女サマですか。【忍たま乱太郎】

二話 ページ4

そんなこんなで親友と別れ帰宅。
録画を見終わってから自室にある室町時代の歴史書録をじっくりと見直す。
これはリアタイを逃した時には必ずする。
ゆっくりと資料を見直し続け、お母さんの呼ぶ声で現実に返る。
時刻はとっくに20:00を過ぎていた。

「ご飯食べましょう。お腹すいたでしょう？」

確かに私の腹は食料を欲していた。
何かに夢中になると自身のことにも無関心になってしまう。
私の悪い癖のうちの一つだと親友は言っていたが、その言葉はおそらく真実なのだろう。

いつの間にか帰宅していたお父さんを出迎え、家族三人で食卓を囲む。
食事の後は風呂へ入って歯を磨き、多少の予習復習を済ませた後、23:00には就寝。

普段のルーティーンに従って、何ら不可思議な点なく過ごしたはずだった。
だと言うのに、

『ここは…どこだ？』

寝て起きたら寝巻き姿で森の中だなんて誰が予想しているのか。
私はこんなにも寝相が悪かったのかと疑ってしまう。
しかしどうにも、私の寝相のせいだとは到底いい切れない。
その理由は、今目の前にいる。

「また天女サマですか…
(小声)まったく、面倒な……」

聞こえてるぞと言うのが先なのか、それとも、“また”とは何なのかと問うのが先なのか……
何を先に立てれば良いのか全く分からないのだがせめて言わせて欲しい。

『私は天女だなんて高尚な者ではないし、そのように揶揄される美貌も残念ながら持ち合わせていない。』

あ、今どこからか親友の「そこじゃない」というツッコミが聞こえた気がする。
いやしかし、少しばかり現実から逃避していたが、何故ここに、まさに現実に、【潮江文次郎】さんがいらっしゃるのか。
もしやこれは夢なのかと手の甲を抓ってみても、痛覚はある。

『夢じゃないのか……さて、どうしようかな。』

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