四十話 ページ45
私ってそんなに影薄いのかな....
ちょっと落ち込むんだけど。
「....まぁいいです。
まずは謝罪を。今更言うのもなんですが、貴方たちの戦いに口を挟む気はなかったのです。
本当に申し訳ない。この通り、謝ります。
さて、本題ですが、まずはそこのお嬢ちゃん。
貴女は今、どうしたいですか？どうしたら貴女は幸せになりますか？」
そう言って、涙を流して震えるばかりの小さな少女を見据える。
彼女にとって今日の出来事は酷すぎる。
今日の出来事は彼女の人生に多大な影響を及ぼすだろう。
実際、彼女の心はもうボロボロだ。
それでもなお折れる寸前のとこで留まり気力を保つ小さな少女。
賞賛に値する。
だからこそ、彼女に問う。
ただ黙って救うのは簡単だけれど、それでは多分意味はない。
私は静かに彼女の答えを待った。
「わ、私は…サウロと一緒にいたい！逃げるなら、サウロも一緒に逃げてほしい！！」
必死な心の叫びに思わず頬が緩んだ。
「よくできました。」
少女の頭をポンと軽くなで、海兵――クザン中将と向かい合う。
「なぜ攻撃を仕掛けなかったのです？絶好のチャンスだったでしょう。」
「よく言うよ。散々牽制してただろあんた。」
「フフフ、バレてましたか。
さぁどうします？私は彼らを、逃がしますよ。
大人と子供の２人くらい、むこう５年は政府に見つからぬようするのはたやすい。
そして、軍艦はすべて撤退済み。周りに目撃者はない。
貴方が今、少しの間“居眠り”してさえくれればの話ですが。
見逃しますか？それとも.....戦いますか？」
なんて、彼の心はもう決まっている。
「はぁ....、勝手にしてくれ。
徹底した正義は.......時に人を狂気に変える。
俺はお前らをこの島から逃がすことにした。この“種”は一体何者に育つのか。」
独り言ちてこちらに背を向き歩く彼の背中は、どこか、迷子の少年のようにも見えた。
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佐倉桜(プロフ) - えとーさん» ありがとうございます！！雰囲気を好きでいて下さるのなら、こらからも拘っていきます！ (2021年10月24日 15時) (
レス) id: c76bb7a1ea (このIDを非表示/違反報告)
えとー - 面白い！なんか、うまく言えないけど雰囲気がめっちゃ好きです！！ (2021年10月24日 15時) (レス) id: e63c5fa317 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐倉桜 | 作成日時：2021年9月19日 0時
