【番外編】超能力者、契約を結んで破る (ページ1)

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１話ページ1

これは、Aが世界と契約し、

それを一方的に破棄するべく奔走する物語。

過去編、始まります。

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『船のみんながそれぞれどっか行っちまったら、どうなるんだろ。』

始まりはバギーが発したこの一言。

少しの不安と寂しさとが混じりあった何気無い一言ではあった。

けれどそれはクルーの心に、少なくとも私の心の中に居座り続けた。

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『ロジャー、そこまでお供します。』

過ぎ去ろうとする背に向かって言う。

ロジャーは、振り返って少し驚いた後、呆れたようにはにかむ。

『お前もブレねぇな。

あそこのむさ苦しい野郎共に交じって一緒に泣き喚いてればいいのによ。』

　

『そんなの、私の性に合いませんから。

それに、貴方のために流す涙は１つもありませんよ。』

泣き顔なんて醜態、貴方に見せたくないもの。

その言葉は気恥ずかしくていうのを辞めたけど。

ロジャーは『なんだよ、かわい気ねぇな』なんて言いながらもどこか嬉しそうだった。