逆ハーは別に狙ってない！！！【東リベ】

病院.4 ページ20

タケミチの気持ちは痛いほどわかっているけど、思い通りにも動いてあげられない


『もういいかな？』


冷たく言い放つと肩が小さく跳ねる


武｢す....すみません｣


その言葉を合図にタケミチに背を向けて病院へ向かった


タケミチは恐らく今の時間で2人を見失ったし原作と違うけど今日はもう会うことは無いだろう


しかし、勇気あるなぁ


｢敵ですか？｣って聞くなんてなかなかに馬鹿というか愚直というか


とりあえずはタケミチを警戒した方が良いかも


対策を考えながら歩いていれば病院へ着く


2人はまだ来てないよね....


カフェに行く気にもなれず、病院の入口の近くの花壇に座ってぼーっと空を見上げる


龍｢あ？A？｣


マ｢あれー？Aじゃん｣


程なくして2人から声をかけられる


龍｢なんでここにいんだよ｣


眉間に皺を寄せて聞かれる


『ドラケンなら来ると思って〜』


思考を何とか戻して笑顔で答える


今は笑える気分じゃなかったけど無理やり口角を上げた


顔の作り方は知ってる


変に思わないでくれるはず


『行くんでしょ？』


龍｢....あぁ｣


『水臭いなぁ！誘ってよ〜』


そう言って駆け寄ると複雑そうな顔で頭を撫でてくれる


同性の人が酷い姿になってるのを見せたくなかったんだろう


前世で見たのは絵だったし、多分、実際の姿を見たらどう思うかは私だって分からない


でも、なんと思ったとしても今後自分の指針を崩さないためにも会いに行きたいのだ


『早く行こ！』


笑顔でドラケンの腕を引っ張り、どこに行くのか分からないという顔をしたマイキーと共に病院の中へ


入口で女性の病室を聞き、向かう


ガラス張りの集中治療室の前に着く


殴られた顔は酷く腫れ上がり、ピクリとも動かない体は生きているのか不安になる


呼吸器から盛れる音だけが安心材料だ


その痛々しさに思わず顔を顰めてしまう


女の人は男の人よりも体の作りがどうしたって弱い


容赦なく殴られたのがわかる傷跡に怒りさえ覚える


マ｢誰？｣


龍｢パーの親友の彼女だ｣


二人の淡々とした会話だけが静かな廊下に響く


そのとき


？｢何しに来たんだオマエら！！｣


男性の怒りに溢れた怒声が聞こえた


それに対して無言で頭を下げるドラケン


それに倣うように頭を下げる


男｢頭なんて下げて済むか虫ケラ！！オマエらゴミのせいで娘は死ぬところだったんだ！！！｣

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