逆ハーは別に狙ってない！【東リベ】

良かったと言える.2 ページ42

真｢俺もさ、昔は結構ヤンチャしてたわけよ。それに憧れて後輩たちがヤンキーやってんのは俺らの責任なわけじゃん

別に悪いことすんなとは言わねぇよ

どんな理由だってなにかに反抗したいとか、かっけぇやつになりてぇとかあるもんだ

でもてめぇの大事なもん傷つけるようなことだけはしたらダメだろ

それは何年経とうが尾を引く

後悔するような生き方になるなら最初からツッぱらねぇほうが良いんだ

あいつらは反省しに行った

お前も今勝手に店に入った罰を店主の俺から受けた。そんで反省してる

それでいいじゃねぇか。そうだろ？｣


ゆっくり自分の過去を振り返るように真一郎さんはそう言った


言葉の重みがやっぱり違う


その言葉に涙を零しながらこくんと頷いた


真｢お前はあいつら止めたかったんだよな。確かに勝手に店に入っちまったけど、ちゃんと止めれたじゃねぇか

よくやったよ

マイキーだってダチから盗んだバイク貰ったって嬉しかねぇだろ

お前はあいつらのマイキーを大事に思う気持ちを否定せずに守って

同時にマイキーの気持ちも守ったんだ

その歳で十分すぎるくらいだ｣


泣いて何も言えないでいる私の頭を優しく撫でながら慰めてくれる真一郎さん


右腕が上がらず、必死に片手で涙を拭う手を取り、太ももの上で握りしめられてしまう


ボロボロ落ち続ける涙を真一郎さんは私の手を握りしめたままベッドに座り、手で優しく拾う


真｢怖かったよなぁ。大事なやつに嫌われるかもしれねぇのに立ち向かうのは

武器持ってる相手にダメって言うのは

それでも、あいつらの絆を守ってやりたかったんだよな

偉いよ｣


頭を抱えるように抱き締められる


涙が真一郎さんの服に滲んでいく


真｢譲ちゃんが何日か前から店の前でずっと張り付いてんの気づいてた。このためだったんだな｣


隠れてるつもりだったが隠れられてなかったらしい


恥ずかしい


色んな意味で恥ずかしい


真｢あいつらはすぐに戻ってくる。マイキーだって怒ってない。お前の望んだ結果じゃないかもしれないけど、お前の守りたかったもん全部守れたんだぜ。すげぇよ｣


まるで私の気持ちを全て知っていたかのような言葉にさらに私は涙が止まらくなって嗚咽を漏らす


『うんっ....うん....』


ただ頷くように声を発することしか出来なかった


声を殺して真一郎さんの肩に顔を押し付け、静かにずっと泣いていた


しばらくそうしてから顔を上げる


真｢ははっ。目、真っ赤だぞ｣

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