一虎と場地.5 ページ39
そのままの勢いで大きな音を立てて真一郎さんと2人、床に倒れ込む
『いってぇ....』
真｢おい！大丈夫か！｣
急いで真一郎さんが上半身を起き上がらせ、私の肩に手を乗せる
混乱しているらしい一虎はそのままニッパーを落としてへたり込んでしまう
虎｢あっ...おれ、おれは....｣
ブツブツと何かを口にしている一虎
場｢一虎！A！｣
『大丈夫だから！動かないで！』
焦って駆け寄ろうとする場地さんを制止し、立ち上がると一虎に近寄る
真｢お、おい。譲ちゃん....｣
真一郎さんが後ろから声をかけてくれるが、それを無視して一虎の前に座る
『かずくん』
がたがたと震え、目は焦点があっていない
私が見えていないのだ
『かずくん。見て！A、平気だよ。まだ何にもしてないんだよ！大丈夫！』
右肩がズキズキと痛み、どんどん感覚が鈍くなっているのがわかる
痛みで背中に冷や汗が伝う
無理やり腕を上げ、力こぶを作るように曲げてみせる
痛い
きっと骨まで行ってるかもしれない
それでも私は笑ってみせる
虎｢おれは....マイキーのために....｣
目に涙を溜め、震えが止まらない一虎を抱きしめる
『大丈夫だよ。大丈夫』
ひたすら一虎の背中を撫で、大丈夫、と繰り返す
どのくらいそうしていたのか、一虎の震えが止まった。
気づけば私の背中にも一虎の腕があって、抱きしめられていたようだ
気合いで上げていた腕にはもう感覚がない
冷や汗も止まらず、自分の体温が下がっているのが何となくわかる
暗くて良かった
これなら気づかれないだろう
ゆっくり一虎から離れると、笑顔で目を合わせる
『落ち着いた？』
そう聞くと、一虎は目に涙を浮かべたまま頷いた
もう一度そっと抱きしめて背中をぽん、と1度叩くと立ち上がって
『勝手にお店に入って、ごめんなさい』
胡座をかいて黙って見ていた真一郎さんに頭を下げる
咥えていたタバコをいつの間にか持ってきていた灰皿に押し付ける
真｢とりあえず、説明してくれ｣
真一郎さんは親指で奥の部屋を指して歩いて行く
言われるがまま3人でついて行き、狭い事務所の床に正座をする
真一郎さんは再びタバコに火をつけ、作業台の前にあった椅子に座った
真｢で？どういうことだ｣
頬杖をつき、3人を見下ろす真一郎さんはさすが元総長なだけあって威圧感がすごい。緊張が走る
重い沈黙が流れ、誰も口を開かないでいると
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凹凸(プロフ) - 迷い猫さん» 迷い猫さんコメントありがとうございます✨ツンデレ良いですよね〜(*´▽｀*)犬系も猫系も可愛くて書きながらニヤニヤしちゃいます笑 (2021年10月23日 12時) (
レス) id: a5bb44ea25 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫 - ツンデレって良いですよネ！！← (2021年10月20日 21時) (レス) @page20 id: 639c61a784 (このIDを非表示/違反報告)
凹凸(プロフ) - さけとばさん» さけとばさんありがとうございます！！懐かしさにニンマリしちゃうのわかります笑過去の自分に共感羞恥で悶えないように頑張って描きました(*´▽｀*)久しぶりに書いたのでそう言っていただけると嬉しい限りです！ (2021年9月14日 12時) (レス) id: a5bb44ea25 (このIDを非表示/違反報告)
さけとば(プロフ) - HP、キリ番･･･あまりの懐かしさに、ニンマリしてしまいましたw 本編の内容がとても濃く、かつ読みやすい文章で、一気にファンになりました！続編も読んできます！これからも応援してます(*'▽'*) (2021年9月14日 10時) (レス) id: 9eb36d9080 (このIDを非表示/違反報告)
がざみ(プロフ) - 夜月さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます！早め早めの更新を心がけていますので長くなると思いますがぜひぜひこれからもお付き合いくださると嬉しいです！ (2021年9月10日 22時) (レス) id: a5bb44ea25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凹凸 | 作成日時：2021年9月7日 23時
