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ん?今呼ばれた?
振り向くと多分さっきの集まりの中の男の子。
「はい……」
小さく返事をすると
自分よりうんと年下に見えるその男の子は
私があまりにも怪訝そうな顔をしていたのか
先程の勢いとは打って変わって
消え入りそうな声で『いや…その…』と呟いた。
「あっ!いや、ごめんなさいっ
あまり社外で声をかけられることがないので
びっくりしちゃって、、」
『これ、さっき拾ったんで、そこで…
違いましたか?』
差し出された手には
変哲もないボールペン。
自分の手元を見ると
さっきまで持ってたはずのペンが無かった。
「あ!これ!私のペンです!
さっき落としたのかな、気が付かなかった…
拾ってくださったんですね、
ありがとうございます、助かりました!」
そう言いながらふと
目の前の男の子に目を移す。
綺麗…
『え?』
「えっ…?え!?あっ、ごめんなさい、
あの、なんでもないです!」
この辺りじゃなかなか見ない程
宝石みたいに綺麗な眼をしてたから
声に出てた、やば。
ボールペンを受け取ろうと
差し出された手に手を伸ばした。
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作者名:麦田 | 作成日時:2022年8月12日 1時