お館様のお子様はのびのびと生きたい。【鬼滅の刃】

拾陸　「人による距離感」 ページ16

刀が出来るまで十日から十五日掛かる。
その間はもちろん修行するつもりだったけれど、師範に「僕の刀は最終選別までという約束です」と言われた為、縁側でぼーっとしてから今日で二日目(動け)

なにすれば良いんだろ。このまま刀が出来るまでぼーっとしてたら身体が鈍る...あ。
柱の方のお手伝いとかしよう。

長女の私はよく柱合会議でお館様の目の役目をしていたから柱の方とは顔見知りだ。
冨岡様は稽古を付けてくれたり、胡蝶様も稽古を付けてくれたり、煉獄様も.......うん、全員に稽古付けて貰った(それしかない)

近くの街へ来ると伊黒様がいた。





『伊黒様。おはようございます』


「！A様申し訳ありません。俺からご挨拶すべきでしたのに」


『いえいえ』





伊黒様はネチネチ説教すると聞いた事がある。
一度だけ見た事があるけど、私に気付いた瞬間止めた。
それが少し悲しかったりする。





『何か手伝う事って________』


「きゃー！A様だわ！おはようございます！」





反対方向から来た甘露寺様に『おはようございます』と返して思った。





『...逢引中だったんです____ね"ッ！』





口に出してた(アホ)
伊黒様に口塞がれた。
待って息出来ない！！！無遠慮に手をバシバシ叩く(叩くな)





「も、申し訳ありません...」


『い、えいえ』





ぜぇ、はぁ、と息を吸い込む。
バシーンと口を塞がれたから痛い。言った私が悪いんだけども。
意外と照れ屋なんだなぁと思ってたら甘露寺様から「伊黒さんとA様は仲良しなのね！」と可愛い笑顔でおっしゃった。





『そうですか？私は甘露寺様と伊黒様の方が仲良しだと思いま____ずッ！』


「わざとなのですか？」





また塞がれた。
しかもさっき以上より強い力で。
痛いけど少し距離が縮まった気がした。

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