７１ …Oside ページ25
「チュー…しちゃった…」
翔ちゃんちの天井をじっと穴があくほど
見ながら零れた言葉。
でも、それが精いっぱいだった。
隣を見ると、うつ伏せに顔は反対側を向けて
シーツをきゅっと掴んで眠る翔ちゃんが居た。
寝息がスースーと聞こえて自分の口元が緩む。
朝の空気はヒンヤリと冷たくて薄らと
白い息が立ち上って一瞬で消える。
鼻の頭は冷たいのに、唇にはほんのりと熱が
乗ってる気がして指で触れてみる。
柔らかくて甘い果実みたいだった。
すんごい過大表現だって…。美化しすぎだって
言われそうだけど。
「智くんっ…」
甘くてしがみつくような翔ちゃんの声を耳元で何度も聞いた。
初めて聞く声に気持ちが複雑になって熱く湧きたつ感覚が頭ん中を支配し
てきたんだよな。う〜ん…うまく言えねぇ…。
「…んっ…」
寝がえりを打ってこちらに顔を向けた翔ちゃんが
何か食ってるみたいに口をムニャムニャと動かす。
夢の中でも、食ってんのかな？ ふふ。やっぱ
体ごと近くにスリよって、寝息が近くで聞こえるところまで顔を近づける。
サラサラの前髪が目元までかかってる。
どう見ても学生にしか見えない童顔。俺もそう言われるけど、色白の
翔ちゃんはもっと可愛く見える。
額をくっつける熱が伝わってくる。
目がピクっと動いてゆっくりと長い睫毛が上を向いた。
「さ…としくん？」
「おはよう」
「おはよう…んー、よく寝たぁ」
起きた途端に欠伸って…。寝ぐせすげぇ。。
まだ少しだけ眠そうな目を擦りながら俺を見て
「いつ起きたの？」
「うーん、３０分くらい前？」
「そっか…、ふぁ〜、腹減った？」
「ん、ちょっとね」
「じゃ、起きましょうかね？」
そういうと後頭部に寝ぐせを立てながら
ゆっくりと起き上がった翔ちゃんは笑顔で俺を振り返った。
「頭がすげー、パンク(バンド)してる！」
と俺が言うと、「俺、クセが強ぇー」って翔ちゃんもふざけてくれる。
布団を畳んで仕舞うと、店のテーブル席について、２人でパンをトーストして
目玉焼きをつくってパンの上に乗せて食べた。
コーヒーは翔ちゃんのお手製のを入れてくれて、２人横並びで
飲みながら、照れくさくて目があってもすぐ逸らしちゃって直視出来なかった。
でも、翔ちゃんは終始嬉しそうにニコニコしていたんだ。
店に戻るのがなんだか寂しく、後ろ髪引かれる気持ちを
抱えたまま翔ちゃんちを出たんだ。
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翔華(プロフ) - はるさん» はるさん、初めまして、こんにちは。コメント有難うございます！心が広い菩薩の様な智くんを書きたいかったのでそう言ってもらえて嬉しいです＾▽＾もう少しこのお話にお付き合い下さいね！幸せな2人が好きなので♪ (2018年3月29日 13時) (
レス) id: 37eca17cbd (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 翔華さん、こんにちは。更新ありがとうございます！なんて酷いことが！と思ったら智くんのなんて優しく大きいこと！離れた絵はくれてやる！って格好いいです！楽しみにしています。 (2018年3月28日 15時) (レス) id: 2e57ade7fe (このIDを非表示/違反報告)
翔華(プロフ) - satoshiikoさん» コメントありがとうございます！はい、前進あるのみ！ですね♪(*^^*)パワーいただきましたよ、ありがとうございます((o(^∇^)o))色々相談して縁のある会社に行ければなと考えてます！ (2018年2月7日 13時) (レス) id: 5a0dcd6872 (このIDを非表示/違反報告)
satoshiiko(プロフ) - こんはまんは！ 就活、頑張ってください！ きっと翔華さんにとってベストな道が開けるはず。♪前進あるのみ〜♪ (2018年2月6日 21時) (レス) id: 6dba7c15f5 (このIDを非表示/違反報告)
翔華(プロフ) - ショウさん、コメント有難うございます！はい、やっと２人の気持ちが動きました＾＾ やっぱり甘いのが書きたいのでやっとという感じですね。。。これからも和んでもらえるように頑張りますね。有難うございました！ (2017年12月27日 19時) (レス) id: 37eca17cbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翔華
| 作成日時：2017年11月6日 13時
