その７０：それは紛うことなき超展開 ページ25
「──我々は、FFI管理局の者だ！！」
FFI管理局を名乗るスーツを着た男たちが突然ずけずけと控え室に入ってきたかと思えば、彼らは険しい表情をしながら何の躊躇いもなく選手たちの荷物を片っ端からごそごそと漁り始めた。
何かを探しているのか、男たちは誰彼構わず
「あ、ちょ、コラッ！ 乙女の鞄を勝手に漁らないでおくんなまし！！」
「……」
「む、無視……！ せめて謎の廓詞に対するツッコミくらいは入れて！！」
自分の荷物に手をかけようとする管理局員への制止も虚しく、彼女の荷物は呆気なく調べられそのまま放置されてしまった。特に何も問題はなかったようである。
何もなかったことに安堵の溜息をつくべきなのか、勝手に荷物を見られたことに憤りを覚えるべきなのか。ほたるは一人整理しきれない感情を抱えながら、睫毛を伏せて「大人って嫌ね……」と謎の思春期乙女ムーヴをかました。
……なんて、ほたるが一人緊張感のない騒ぎ方をしていたのも束の間。
「……ここのロッカーを使用しているのは？」
局員が不意に動きを止めたのは、鬼道の鞄を調べている最中だった。局員の言葉に、鬼道は素直に「俺です」と応じる。
局員は鬼道の元へと少しだけ足を進めると、そのまま鬼道の鞄から持ち出したのであろう白いケースを取り出して、法廷で犯人に証拠を突き付ける弁護士の如くケースの中身を見せつけた。
「これはドーピング効果のある錠剤だな？」
「……なんだと！？」
局員が鬼道に見せたのは、ケースの中入っていた二錠ほどの小さな錠剤。まさかの展開に驚く間も無く、局員はまくし立てるように衝撃の言葉をイナズマジャパンに突きつけた。
「──鬼道有人。ドーピング違反により、君を代表選手失格と見做す！」
「鬼道！？ 待ってください、鬼道がそんなことをするわけ……！」
「何かの間違いだ」と主張し必死に抵抗する鬼道たちだったが、大の大人の力に子供が勝てるはずもなく。
鬼道が局員たちによって強制的に部屋の外へと連れ出されると、扉はそのまま固く、重く閉ざされてしまった。
その７１：残念ながら時既に遅し→←その６９：ノックは入室の鉄則ですよ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 326人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こめこ(プロフ) - リョウカさん» わーい、リョウカさんありがとうございます！！今まで通りマイペースに頑張って参りますので、今後とも六連星共々、当作品をよろしくお願いしますm(_ _)m（おめでとうイラスト…！お気持ちとても嬉しいですが、どうかご無理だけはなさらないようにしてください…！！） (2020年4月27日 17時) (
レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
リョウカ(プロフ) - Twitterで見て飛んで来ました！ほたるちゃん復活ですね！更新は出来たらで良いので頑張って下さい！(いつか更新再開おめでとうイラスト描きたい) (2020年4月26日 23時) (レス) id: 42eb0ce24b (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - きららさん» きららさん、Twitterの方では大変お世話になっております…！更新再開まで待っていただけたこと、とても有り難く思っております。今後も楽しんでいただけるよう、自分なりに頑張っていきたいと思います！コメントありがとうございました！ (2020年4月23日 20時) (レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - 綾瀬聖さん» 名無しのりんごさん…！ ご無沙汰しております、2度目のコメントとても嬉しいです（ ; ; ）なんとか戻ってこられました…！ 以前のような文章が書けるようにリハビリしつつ、今後も自分のペースでバリバリ頑張っていきたいと思います！ コメント有難うございました！ (2020年4月23日 20時) (レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
きらら(プロフ) - こめこさんおかえりなさい!!Twitter見ながら読み返してました！ちまちまでもいいんで体調に気をつけて自分のペースで更新頑張ってください！応援してます！ (2020年4月22日 16時) (レス) id: 36a6836253 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こめこ | 作成日時：2019年5月27日 21時
