その４３：どこの少女漫画だよ ページ46
☆
貴重なオフはあっという間に過ぎてゆき、日は変わってその翌朝。
「ねっむ……」
顔を洗い髪を結び──と一通り身支度を終えたほたるは、寝惚け眼を擦りながら気怠そうに食堂へと向かっていた。
つい先ほど顔を洗ったばかりだというのに、オフの影響か未だに覚醒しきっていない頭は、ほたるの様々な能力を鈍らせる。
ただただ自分の睡眠不足を感じながら、ほたるは空っぽの頭でぼんやりと階段を降りていった。……しかしその直後、漠然とした思考のもと起こしたその行動から、それがはっきりと裏目に出てしまう。
「もはや朝食摂るのも面倒くせえ……って、うわっ」
散漫した注意力のもと一段ずつ階段を降りていくと、その拍子でほたるは階段から綺麗に足を踏み外し、そのままバランスを崩した身体が派手に下へと倒れていくのを感じた。
「(し、しぬ……ッ)」
重力に引かれて下へ下へと落ちていく感覚は、まるでゆっくりと流れるスローモーションのように感じる。
ようやく覚醒した頭は、すぐさまほたるの身体に危険信号を発した。けれど、今更気がついたってもう遅い。人は一人では重力には抗えないのだ。何をしても、その先に待つのは「大怪我」という最低最悪の未来のみ。
「(いや、寧ろこのまま怪我して代表離脱っていうのも悪くないかも)」
──既に為す術が無いことを悟ったほたるが、なんとも不謹慎なことを頭に浮かべた……その瞬間だった。
「──危ないッ！」
不意に、背後からあからさまに焦ったような少年の声が聞こえてくる。
それと同時に感じたのは、誰かに右腕を掴まれたような不思議な感覚。……否。
「ふ、吹雪くん……」
「び、ビックリした……！ ほたるさん、大丈夫？ 怪我はない？」
「お、お陰さまで」
その声の持ち主は、イナズマジャパンの一員であるDFの吹雪士郎だった。
落下するのだとばかり思っていた身体は、きちんと無傷の状態で地に足をつけて立っている。
しかし、それもそのはずだ。偶然通りかかった吹雪に後ろから腕を引かれたことで、ほたるは間一髪で階段から落ちずに済んだのだ。
「……ありがとう」
「ううん、無事みたいで安心したよ」
流石のほたるも少し動揺しているのか、不器用に感謝の言葉を並べると後ろから柔らかい吹雪の声が聞こえてきた。
腕を引かれた影響で、ほたるは今吹雪の身体に背中全体を預けているような体勢になっている。
吹雪もそれを支えようとほたるの身体をしっかりと両手で掴んでいるので、今の二人はなんともいえない密着しきった小恥ずかしい状態になってしまっていたのだった。
その４４：急募・この招集の意味→←その４２：ぶれいきんぐ・たいむ
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こめこ(プロフ) - 猫宮さん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません…！ なんと！ 物凄い偶然ですね…！！ ぜひ、今後とも夢主の行く末を見守ってやってくださいませ( ´ ▽ ` ) (2020年4月22日 16時) (
レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
猫宮 - ウチの考えと夢主ちゃんの考えが一致しとる、すげー((((；ﾟДﾟ))))))) (2019年10月28日 17時) (レス) id: a4825ec2c2 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - くーちゃんさん» コメント並びにお祝いのお言葉、誠にありがとうございます（ ; ; ）全作品を通して更新頻度にばらつきがありますが、これからもそう言っていただけるようなお話が書けるよう頑張って参りたいと思います！ (2019年6月29日 19時) (レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
くーちゃん(プロフ) - 殿堂入りおめでとうございます！こめこさんが書くイナイレのお話はどれも面白く、楽しませてもらってます！これからも頑張ってください！応援してます！ (2019年6月8日 4時) (レス) id: 3f70a533d9 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - 辺銀ヾ(･ω･`*)さん» のわ〜〜辺銀さん！青い鳥の方ではお世話になっております…！ ！応援のコメントありがとうございます、これからものんびりと頑張って参りますね( ´ ▽ ` ) (2019年6月3日 21時) (レス) id: 67fc292324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こめこ | 作成日時：2019年3月8日 7時
