その３８：興味とは最大の力なり ページ40
☆
試合再開のホイッスルがフィールドに鳴り響くと、豪炎寺の分も頑張らねばと、フィールドにいた誰もが拳に力を入れた。
韓国側から始まったゲーム。ボールを奪おうと灰崎はスライディングを仕掛けるが、肩に力が入りすぎたのかいとも容易く躱されてしまう。
その後も両国の攻防戦は続き、最終的にペクが必殺シュート・バイソンホーンをゴールへ打ち込むと、円堂は風神雷神で対抗し見事それを止めてみせた。それに伴い、前半終了のホイッスルが鳴る。
「大丈夫か、豪炎寺。ダメージは大きいのか？」
「おいおい、俺は医者じゃないんだ。怪我の大きさは分からない」
「──ね、豪炎寺くん。あの時、一体何があったの？」
やや焦りの見える鬼道と尚も苦しみ続ける豪炎寺の会話に割って入り、ほたるは
──今の彼女の行動の原動力はあくまでも"興味"であり、仲間を助けたいという気持ちで動いているわけではないのである。何故なら、彼女にはまだサッカー選手としての"仲間意識"が芽生えていないからだ。
「……わからない。あの瞬間、何かが光ったんだ。気がついた時には既に……」
「"光った"って……サッカーってそういうのもありなの？」
「そんなわけがないだろう。誰かが故意にやっているのなら、それは立派な反則行為だ」
鬼道の説明に頷きながら、ほたるは納得したように手を叩いて「じゃ、やっぱこの試合色々とおかしいんだね！」と結論づける。鬼道は「その通りだ」と返した。
まるで目に見えない何かがフィールド中を蠢いているようだ。そのトリックは、ほたるには到底考えつきそうもない。
「光って言ったら、鏡で反射させたりするのが一番手っ取り早そうだけど……」
「仮にそうだとしても、一体どうやっているというんだ」
「う、うーん。そう言われると困っちゃうな」
ほたるは頭を抱えた。けれど、その表情は皮肉にもどこか楽しそうだ。到底解けそうにない問題に出会えば出会うほど、心はますます燃え上がるというもの。
「──俺たちは、こんなところでお前を失うわけにはいかない。俺は世界に行きたいんだ。お前と、円堂と」
「鬼道……」
真剣な眼差しと共に語られた鬼道の強い意志に、豪炎寺はどうしても肯定の言葉を返すことはできなかった。
……やりきれない思いぶつけるように、豪炎寺は辛そうに顔を歪めた。
その３９：休憩の合間に漫才を挟むのはやめてください→←その３７：審判仕事しろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 252人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こめこ(プロフ) - 猫宮さん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません…！ なんと！ 物凄い偶然ですね…！！ ぜひ、今後とも夢主の行く末を見守ってやってくださいませ( ´ ▽ ` ) (2020年4月22日 16時) (
レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
猫宮 - ウチの考えと夢主ちゃんの考えが一致しとる、すげー((((；ﾟДﾟ))))))) (2019年10月28日 17時) (レス) id: a4825ec2c2 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - くーちゃんさん» コメント並びにお祝いのお言葉、誠にありがとうございます（ ; ; ）全作品を通して更新頻度にばらつきがありますが、これからもそう言っていただけるようなお話が書けるよう頑張って参りたいと思います！ (2019年6月29日 19時) (レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
くーちゃん(プロフ) - 殿堂入りおめでとうございます！こめこさんが書くイナイレのお話はどれも面白く、楽しませてもらってます！これからも頑張ってください！応援してます！ (2019年6月8日 4時) (レス) id: 3f70a533d9 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - 辺銀ヾ(･ω･`*)さん» のわ〜〜辺銀さん！青い鳥の方ではお世話になっております…！ ！応援のコメントありがとうございます、これからものんびりと頑張って参りますね( ´ ▽ ` ) (2019年6月3日 21時) (レス) id: 67fc292324 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こめこ | 作成日時：2019年3月8日 7時
