その３２：風呂上がりのアイスこそ至高 ページ34
「おや、不動くんにほたるさん。ちょうどいいところに！」
鬼道と不動の間に少しの沈黙が流れると、趙が不意に談話室へとやって来た。流石に異変に気付いたのか、ほたるも視線を液晶から趙の方へと移す。
どうやら不動とほたるのことを探していたらしく、趙は二人の顔を見るなり「貴方たちには、今から特別な任務を与えますよ」と何やら楽しげに言ってみせたのだった。
☆
「……で、なんで俺たちがパシリなんだよ」
「ほんとほんと！ 熱中してるところを邪魔されるときほど、萎える瞬間ってないよね」
コンビニへと続く夜道を歩きながら、不動とほたるは不満げにそう呟いた。
そんな二人を、稲森は苦笑を浮かべながらも「まあまあ、あの監督のことだからきっと何か……」と軽く宥める。
「監督が食べるアイスを買いに行くことに、意味があるとは思えんがな」
「ふふ、たしかに」
不満全開でそう話す灰崎と、どこか面白げに薄く笑みを浮かべるタツヤ。そして、「監督の指示は絶対だからな」と苦笑気味に事の真髄を口にする氷浦。
趙の指示によって集められたこの六人は、合宿所の外にあるコンビニへアイスを買いに行くことになったのだった。
夜になりすっかり静まり返ってしまった夜道を、六人は他愛のない話を交わしながらぞろぞろと歩いていく。
すると、不意に氷浦が顔を強張らせ、何かに反応したのがわかった。その直後に氷浦たちを目掛けて飛んできたのは、どこにでもあるデザインをした一つのサッカーボール。
「誰だ！」
氷浦が間一髪でそれを蹴り返すと、いつの間にやら目の前には、背丈の小さな見知らぬ少年がボールを片脇に抱えて彼らの行く手を阻んでいた。
少年は氷浦の問いに答えないまま、すぐそばに立っていた不動に向かって勢いよくボールを蹴り込む。
「ギャーッ、不動さん！？！」
「く、くそっ……」
品のない悲鳴を上げるほたると地面に倒れこむ不動をよそに、少年はそのままボールを自由自在に使いこなして、灰崎たちのディフェンスを軽々とかいくぐって見せた。
もちろん、ほたるは何もできずにただ突っ立っているだけだ。
「ボクは無敵ヶ原富士丸。ボールは奪えない、攻防戦に参加しようともしない。キミたちのようなダメ選手がFFIに出て日本が恥をかかないように、ここで全員再起不能にしてやるよ……！」
「(うわー、だいぶファンキーな名前してんなコイツ……かっこよ)」
不敵な笑みを浮かべる無敵ヶ原と名乗った少年に、ほたるはいつもの様子で一人でにどうでもいいことを考えていた。
……というか、言われているぞ、ほたる。
その３３：その戦力外さにはもはや安心感すら感じる→←その３１：だいぶ買い被りまくっていらっしゃる
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こめこ(プロフ) - 猫宮さん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません…！ なんと！ 物凄い偶然ですね…！！ ぜひ、今後とも夢主の行く末を見守ってやってくださいませ( ´ ▽ ` ) (2020年4月22日 16時) (
レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
猫宮 - ウチの考えと夢主ちゃんの考えが一致しとる、すげー((((；ﾟДﾟ))))))) (2019年10月28日 17時) (レス) id: a4825ec2c2 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - くーちゃんさん» コメント並びにお祝いのお言葉、誠にありがとうございます（ ; ; ）全作品を通して更新頻度にばらつきがありますが、これからもそう言っていただけるようなお話が書けるよう頑張って参りたいと思います！ (2019年6月29日 19時) (レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
くーちゃん(プロフ) - 殿堂入りおめでとうございます！こめこさんが書くイナイレのお話はどれも面白く、楽しませてもらってます！これからも頑張ってください！応援してます！ (2019年6月8日 4時) (レス) id: 3f70a533d9 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - 辺銀ヾ(･ω･`*)さん» のわ〜〜辺銀さん！青い鳥の方ではお世話になっております…！ ！応援のコメントありがとうございます、これからものんびりと頑張って参りますね( ´ ▽ ` ) (2019年6月3日 21時) (レス) id: 67fc292324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こめこ | 作成日時：2019年3月8日 7時
