その３０：そりゃあ吹き飛ばされるだろ ページ32
「……で。さっきからテメーは話も聞かずに、一人で何をしてるんだ」
「……」
「いや、返事くらいしろよ！！」
クラリオや円堂の話を清々しいほどに聞いていなかったほたるはというと、難しい顔をしながら話そっちのけで足を振ったり身体を捻ったりと、かなり奇怪な動きを一人でひたすらにしていた。
流石に異様すぎるその光景に、灰崎はここぞとばかりに口を開く。しかし、ほたるの耳には到底届いていないようだった。
「ほたる？ 大丈夫か、ほたる。おーい？」
「おいおい、ついに頭のネジ全部吹っ飛んだんじゃねえのか」
円堂とヒロトもそれぞれの形で声をかけるが、相変わらずほたるは答えやしない。
するとそんなほたるの姿を訝しげに眺めていた鬼道が、突然何かを閃いたようにフィールドの脇に転がるボールをドリブルし始めた。
「灰崎！」
「あ？ なんだよ……ってうわっ」
「そのままオーバーヘッドペンギンだ！！」
「は、はあ！？」
戸惑う仲間たちをよそに、鬼道は灰崎に向かってパスをする。
見事それを受け取った灰崎は、戸惑いながらも反射的に言われるがまま必殺シュートを打ち込んだ。
「オーバーヘッドペンギン！！」
「──ほたる！ シュートを止めろ！！」
「え、なあに鬼道くん……って、うわ！？ なにこの状況！！？」
そしてあろうことか、そのままシュートはほたるめがけて勢いよく飛び込んできた。
言われるがままに必殺技を打ち込んだ灰崎をはじめ、誰もが鬼道の行動に驚きを隠せていない中、ほたるは咄嗟の判断で一歩前へと足を踏み出す。
「──サッカー素人の私に、こんなエグいシュートどうやって止めろって言うんだよッ！！！」
ほたるはがむしゃらに右足を振り上げると、そのまま力任せにボールに向かって何度も力強く蹴りを入れた。
「うがあああああっ！！」
「なっ、アイツ……！」
……それはまさしく、先ほどクラリオがやった"ダイヤモンドレイ"と同じ動きだった。
勿論あんなに強力な選手の技をそっくり真似る力なんてほたるは持ち合わせていないので、ただひたすらにボールを蹴っているだけだ。それ以上でもそれ以下でもない。
けれど無我夢中で同じ行動を繰り返しているうちに、その威力は少しずつ衰えていった。
……最終的には、ほたるが力尽きて身体ごと跳ね返されてしまったが。
「いってえ……もう、なんなの突然」
「お前……」
「あ？ ンだよテメ……じゃなくて。なんなのさ、灰崎くん。素人相手に何してくれてんの！」
芝生に身を投げ出し肩を上下させるほたるに、その場がざわめき始めた。
その３１：だいぶ買い被りまくっていらっしゃる→←その２９：話はちゃんと聞きましょう
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こめこ(プロフ) - 猫宮さん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません…！ なんと！ 物凄い偶然ですね…！！ ぜひ、今後とも夢主の行く末を見守ってやってくださいませ( ´ ▽ ` ) (2020年4月22日 16時) (
レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
猫宮 - ウチの考えと夢主ちゃんの考えが一致しとる、すげー((((；ﾟДﾟ))))))) (2019年10月28日 17時) (レス) id: a4825ec2c2 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - くーちゃんさん» コメント並びにお祝いのお言葉、誠にありがとうございます（ ; ; ）全作品を通して更新頻度にばらつきがありますが、これからもそう言っていただけるようなお話が書けるよう頑張って参りたいと思います！ (2019年6月29日 19時) (レス) id: 2935309ddd (このIDを非表示/違反報告)
くーちゃん(プロフ) - 殿堂入りおめでとうございます！こめこさんが書くイナイレのお話はどれも面白く、楽しませてもらってます！これからも頑張ってください！応援してます！ (2019年6月8日 4時) (レス) id: 3f70a533d9 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - 辺銀ヾ(･ω･`*)さん» のわ〜〜辺銀さん！青い鳥の方ではお世話になっております…！ ！応援のコメントありがとうございます、これからものんびりと頑張って参りますね( ´ ▽ ` ) (2019年6月3日 21時) (レス) id: 67fc292324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こめこ | 作成日時：2019年3月8日 7時
