第61話 エールの後継�� ページ34
走り出した円堂くんを追いかけるように陽花戸中に戻ってみれば、グラウンドには何やら雲行きの怪しい不穏な雰囲気が漂っていた。
「ば、バリやばかーっ」
「い、今のうちに逃げた方がいいかモー！？」
「と、戸田！ どげんすっとねー！？」
明らかに様子のおかしい陽花戸中のみんな。祭利田くんを含む陽花戸中のみんなに囲まれていたのは、言わずもがな陽花戸中のキャプテン戸田くんだ。
そんなみんなの様子を受けて、立向居くんは一体何があったのかと急いで彼らの方へと駆け寄る。
「ど、どうしたんですか？ 先輩」
立向居くんの存在に気がついた祭囃子くんというらしい男の子は、必死の形相をしながら「た、大変なんでいっ！」と叫んで、立向居くんの両肩をぐわしと両手で力強く掴んだ。
……なんだなんだ。一体どうしたというんだ。
状況が掴めなくて、私はひとまず遠巻きに事の行く末を見守る。
しかし、呑気に彼らの様子を傍観していたのも束の間。続いた祭囃子くんの言葉は、私が想像していたよりも遥かに強烈かつ衝撃的な言葉だったのだ。
「──どうしたもこうしたも、エイリア学園からの襲撃予告が届いたんでいっ！！」
「……え、ええっ！？」
まさかの急展開に、みんなは思わず声を揃えてそう叫ぶ。
予想だにしていなかった言葉を受けみんなが次第にざわついていく中、鬼道さんだけは持ち前の冷静さを保って静かに祭囃子くんたちのいる方へと駆け寄った。しかし、流石の鬼道さんもこの状況には少なからず焦っているのか、その額にはうっすらと汗が浮かんでいる。
「少し見せてくれ……」
そう言って祭囃子くんの持っていた一枚の小さな紙を受け取ると、鬼道さんは暫くレンズ越しにじっとそれを見詰める。そして、何かに気がついたのか「こ、これは……！」と意味ありげなことを呟くと、すぐさまこちらに駆け戻りその一枚の紙の表面を素早くこちらに向けて見せた。
「見てみろ。この襲撃予告のサインを！」
そこに書いたあったのは、黒いペンでオシャレに筆記体で書かれた"G"という文字。……"G"？
見覚えのない文字に、私はただ一人首を傾げる。みんなも同じように不思議そうにしている……と思いきや、どうやら"G"という文字について心当たりがないのは私だけらしく、みんな真剣な表情で紙を見詰めながらゴクリと喉を鳴らしていた。……え、う、ウソ。
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こめこ(プロフ) - アインツバルさん» コメントありがとうございます。私にはもったいなすぎるお言葉です……！ 完全なる長編なので読むには少し骨が折れるかもしれませんが、ぜひ楽しんでいただけると嬉しいです( ´∀｀) (2019年4月7日 18時) (
レス) id: 67fc292324 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル - あ、こめこ様の作品発見！ 神作品の予感がするぜぇ...！！ (2019年4月7日 11時) (レス) id: db0b681609 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こめこ | 作成日時：2019年3月7日 18時
