第60話 特別な友だち�� ページ33
「きっとキミたちはこんノートば手に入れたら、究極奥義を練習するっちゃろう。やけど、習得したらたくさんの仲間が傷つくかもしれんったい。そんでも……キミはやるんかね？」
どこか円堂くんのことを試すように、伐天さんは正面から真っ直ぐに円堂くんの表情を捉えながらそう尋ねる。円堂くんは思わず硬直し、言葉を詰まらせた。……きっと、
そんな円堂くんの姿を目の当たりにした立向居くんは、思わず顔を顰めてこう言った。
「こ、校長！ 円堂さんはとても仲間想いの人なんです。そんな意地悪な質問──」
しかし、円堂くんの背中を押したのは、そんな立向居くんの制止を遮るように発されたある言葉だった。
「円堂、何を悩んでるのさ！ そんなのやるに決まってるだろ！」
「……と、塔子」
「ああ。強くなるための怪我なら、恐れる理由はない」
「怪我するのは嫌ッスけど……でも、サッカーができなくなる方がもっと嫌ッス！」
頼もしい笑みを浮かべながら、塔子は明るい声でそう言い放つ。鬼道さんや壁山も頷きながらそれに同調した。そして、私も思わずそれに口を挟む。
「そうだよ！ 私はまだまだ新参者だけど……ほら、怪我なんて承知の上で着いてきてるし。みんなで協力すれば、きっとなんてなんてことないって！」
「お前ら……！」
円堂くんは眉尻を下げながらも、嬉しそうにそう呟く。そして何かを決心したように表情を切り替えると、芯の通った力強い声でこう言った。
「……校長先生。オレ、やります！ エイリアを倒して、平和な世界で思いっきりサッカーをするために！！」
塔子は「よく言った、円堂！」なんて言いながら、ばしりと円堂くんの背中を叩く。背中を叩かれた当の本人はは照れくさそうにはにかみながら笑っていた。
そして、伐天さんは安心したように微笑む。
「よかよか、よか仲間ったい。キミたちなら、こんノートば正しく使えるっちゃろう」
"──大介の魂たい、受け取ってくれんね"。
そう言うと、伐天さんはついに円堂くんに例の裏ノートを手渡した。
「あ、ありがとうございます！」
円堂くんは受け取ったノートを大事そうに胸元で抱きしめる。そうして少しだけ間を開けると、「よーし、さっそくグラウンドで特訓だ！ もっともっと強くなるぞー！！」と持ち前のリーダーシップを発揮して、すぐさま陽花戸中の方へと駆け出していった。
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こめこ(プロフ) - アインツバルさん» コメントありがとうございます。私にはもったいなすぎるお言葉です……！ 完全なる長編なので読むには少し骨が折れるかもしれませんが、ぜひ楽しんでいただけると嬉しいです( ´∀｀) (2019年4月7日 18時) (
レス) id: 67fc292324 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル - あ、こめこ様の作品発見！ 神作品の予感がするぜぇ...！！ (2019年4月7日 11時) (レス) id: db0b681609 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こめこ | 作成日時：2019年3月7日 18時
