必死のパッチ！

・ ページ37

*ジャッキーside





「…よう言うた！！！」



昔から争い事が嫌いなトッポとジョニーの決心にグッときて思わず声が出た。
あの小さかった２人が…
何かある度に泣いてた２人が…




「…グズッ」


「いやいや！何でマックが泣いとんねん！！！！」



隣から聞こえた鼻をすする音に思わず突っ込むと、
「２人とも大人になったなぁ…」なんて目頭押さえとる。

いや、気持ちはわかるけども！
なんやこいつ年々涙もろなっとる気ィするな…





「…心意気はええけど、覚悟あるんか？」



鋭い目をしたアーセナルが問う。
言葉数少ないけど、付き合いの長い俺らには言いたい事がわかる。



「…人傷つける覚悟があるんかって言われたらわからん。
でもAを守るっていう覚悟はできてる。」

「おん。Aを少しでも守れるなら…何でもする。」



綺麗事だけやない、時にはやりたない事もせなあかん時がやってくる。
何かを優先するって事はそういう事や。

そういう意味での“覚悟”があるのなら、もう俺らに言う事はない。




「…ならええ。」

「ちゅうか、お前らが危険にならんように作戦考えるんも俺の仕事やし。」

「俺がもっと強なればええ話やし！」


話は終わったと言わんばかりに満足そうにしたアーセナルと、
鼻かみながらカッコつけるマック。
エースは相変わらず俺が一番や！って意気込んどるし。



「言うても接近戦はハードル高いやろし、基本遠距離攻撃やでな…」

「…とりあえず、体力つけるとこからやな？」


ガムが優しく笑って、自然とこの話は終わった。
…Aが風呂から上がった音したからな。


強すぎるせいで、危なっかしいあの爆弾娘を
家族のように、…それ以上に大事に思っとるんは皆同じやねん。







『ええお湯やった〜お先〜〜』

「…お前なんちゅー格好しとんねん！！」

『？パジャマ…』

「それジョニーのTシャツやろ！？」


『パジャマ代わりに使い〜ってもろてんで？』

「いくらデカイTシャツや言うても下履け！！またパンツ見えそうやんけ！」



「わー！ジョニーが鼻血出してるぅー！！」

「…マック…ティッシュ頂戴…」

「彼シャツっちゅうやつちゃうん？！何でジョニーのなん！！！」



「Aちゃんの下ジャージどこいったん？！」

「今洗濯機の中ちゃう！？」


『ふぁ……ねむ…』



我関せず猫みたいにソファに丸まって寝ようとするAに
そのへんの毛布を放り投げる。
これはホンマに手焼くわ…と頭を抱えた。

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