・ ページ25
*ジョニーside
戻ってきた俺らを見て安心したんか、
「なんだよ！ただの冗談だろ…！？」なんて
いじめっ子の声が聞こえた瞬間、
Aちゃんは信五君の腕を振りほどいて、
そいつの胸ぐらを掴んで右腕を振りかぶった。
『なあ…冗談やったらええんやろ？冗談やから笑って許してや。』
その場の空気が一瞬で凍りつく。
いじめっ子の顔は完全に青ざめてた。
「…ヒッ…！」
パシッ…
既にボロボロで恐怖に頭を抱えるいじめっ子と、
Aちゃんの間に割り込んで、その拳を止めたのは
さっき俺が連れて来たたぬき…隆平くんやった。
「…A、もうやめぇ。」
この空気を破った、静かな声。
全員が振り返ると、どっか冷めたような目をした色白の男の子。
…このいたずらグループのボスみたいな子やん…。
確か、名前は裕…くん。
隙を見つけて逃げ出した、いじめっ子の背中を
裕君は「ほんまクズやな…」って吐き捨てるように見逃した。
「…また怪我して。章大にみてもらってき。泣きながら怒るでアイツ。」
不満そうな顔したAちゃんは、
隆平君に頭撫でられて連れて行かれた。
「お前も大丈夫か？」
信五君が俺に手を差し伸べながら声をかけた。
何なん、正義の味方の気取り？
「助けてくれなんて頼んだ覚えはない！」
卑屈に曲がりきった俺の根性は、
助けてくれたのに素直になれんかった。
「まあせやな？
俺も俺が気に入らんからアイツ等シバいたっただけやし。」
ガハハって豪快に笑う信五君に毒気が抜かれる。
何なんこの人…。
「…せやけどな、何かを変えたいんやったらいつか行動せなあかんで？」
それだけ言い残して、「A見に行くでー」って
手をヒラヒラ振りながら裕君と隆平君と去って行った。
さっき言われた信五君の言葉と、
前あの子に言われた言葉が頭を駆け巡る。
“何かを変えたいんやったら行動せな”
“無理矢理笑ってしんどない？”
ほんま好き勝手で自分勝手な人ら。
それでも、対等な関係で隣に立って笑い合えるあの人らが羨ましくて仕方ない。
俺はずっと１人やったから。
翌日、震える体を押さえながらいじめっ子に話つけて、
その足で信五君と裕君に仲間に入れてくれって頼みに行った。
そこにはあの子も居って、嬉しそうに笑ってたから
思わず俺も嬉しくなって笑ってもうた。
…女の子は怖い。
Aちゃんも怖いけど…けど、ちょっとちゃう。
何やろ、これ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 306人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おこめ(プロフ) - 名無し39097号さん» コメントありがとう御座います。先日の大阪の地震と仕事の多忙さWパンチで中々書けなく、申し訳なく思ってます…。ゆっくりですが更新していきますので、気長にお待ち頂けると嬉しいです！ (2018年6月25日 21時) (
レス) id: 9bbb71cfd8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し39097号(プロフ) - 更新楽しみしてます。 (2018年6月25日 8時) (レス) id: 57b555248c (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - まぶたさん» まぶたさん、コメントありがとう御座います！一応いくつか書きたいお話はあるので、まとまりそうならまた書かせて頂きますね！＾＾ (2017年9月27日 22時) (レス) id: 9bbb71cfd8 (このIDを非表示/違反報告)
まぶた(プロフ) - 更新楽しみにしてます＼(^^)／頑張ってください！ (2017年9月26日 23時) (レス) id: 2f670dd364 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おこめ | 作成日時：2017年4月30日 22時
