全力前進無限大

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REIKOちゃんを置いて先にスタジオに戻ると、
丁度撮影を再開するからウチらを呼びに行こうとしてたところだった。



「えっ、何かA怒ってない？」


「こっわ！目すわってるって！！」



章ちゃんとたっちょんがビクビクしながらこっちを見てる。
うっさい！こっちはあんたらの事で腹立てとんねん！！

目を閉じてスゥ…と深呼吸。

ウチ個人の感情を撮影に持っていったらあかん。
弱いまんまやったらあかん。
そんなん、あの人らの隣に立つ資格なんてない。
【私は、変われる。】





『お願いします！』





そっからはほとんど記憶がなくて。
カメラマンさんからの指示もほとんどなかったから
体が勝手に動くがまま撮影を続けた。
もう途中からスタジオで撮影してるっていう事なんか頭になくて。
ただ隣に立ってる相手の事と、こっちに向いてるカメラのレンズしか見えてなかった。




「……はい！！Aさん撮影OKですーーーー！！！」



スタッフさんのOKコールを聞いてハッと意識が戻った。




「…Aサン……もうそろそろ勘弁してください……」


って声に気づいて下をみたら顔真っ赤にして
仰向けでウチに馬乗りされてるきみ君が、両手で顔を隠してる。
…？いつの間にこんな事に…？？？


『あー…ごめんごめん。重かったな？全然記憶ないけど。』


周りを見ると他のメンバーも顔真っ赤にして一斉に目を逸らした。
な…！ウチそんなやばい事したん！？
こ、これはやってもうたかもしれん……
大丈夫？化粧品のCMで使えるようなのになってる！！？




「一回画像確認入れて、REIKOさんとAさん、
どちらを使わせて頂くか協議させて頂きます。
その間にお昼休憩してきてくださいー！！」



うわぁぁぁああ…どないしょ…
怖くてどんなん撮ったんか皆に聞かれへん…
でも止められへんかったって事は大丈夫よな？な！！？



「………そない心配せんでも大丈夫や。」


『信ちゃん…！！』


「まあ正直やりすぎやとは思うけどな…………ハァ、またこれ心配事増えるわ…」


『え！？やりすぎ！！？やっぱりそうなん！！？
ふぉぉぉおお…どないしょ信ちゃーーん！！！』



最後にボソっと言うた事は聞き取れんかったけど、
常に全力を良しとする信ちゃんが「やりすぎ」って言うくらいやねんからよっぽどじゃない！？
不安すぎて楽屋でお弁当の味なんてしなかった…。

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