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薬飲むのも効かなくなっちゃいそうで怖くて、
放っておけばそのうち良くなるでしょ、
なんて期待は打ち砕かれる。
雨音すら刺激になってズキズキと痛む。
様子がおかしいことに気付いたらしい阿部。
心配そうに話しかけてくれるのはいいけど、
今はその声すら頭に響いてしまって辛い。
せっかく電気を消してもらったのに、
ズキン、ズキン、と鼓動に合わせて酷く痛む。
薬を飲んでいないせいか、それとも
ここ最近の疲れや寝不足か。
はたまたその全てか。
──ああ、やっぱりいつもより痛い。
もう少し、もう少ししたらきっと落ち着く。
それから仕事を終わらせて、家に帰って眠る。
そうすれば薬も飲まなくて済むし、迷惑もかけない。
脈打つように痛む頭を抱えて自分に言い聞かせる。
「…っ、はぁ、……ぃ、たい…」
ぅう、とかゔー、とか漏らす俺の背中を
子供を宥めるみたいに撫でるから、
ほんの少し恥ずかしいけど、
今はその優しさがありがたい。
「しんどいよね…、これ首に当ててみて?」
「…ん、なに…?」
「偏頭痛だと冷やすといいみたいだから。
気休めかもしれないけど冷たいお水」
ほんの少し汗をかいたペットボトルの
冷たさが心地よい。
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作者名:あむちゃ | 作成日時:2021年10月10日 10時