TAKE５ 酔っ払いどもの山にて ページ6
今日は月に一度の大宴会。普段は食事やツイスターでしか使われることの無い大広間(雨漏りした部屋の住人もここを使う)は宴会場に早変わり。料理自慢の刀剣達は揃って台所に立ち、嬉しそうに腕を振るっている。
というのは一時間半も前の話である。今、宴会場は酔っ払いどもの巣窟になっていた。
そのど真ん中にいる審神者は、珍しく酔っぱらった一期一振の愚痴か弟自慢か分からない何かを聞かされた後で、ぶっ倒れた彼が御手杵たちに運ばれていくのをお冷片手に眺めていた。
「隣、空いてるかい？」
「どーぞ」
審神者の隣は一人分ほども空いていなかったので、審神者は座布団事左に移動した。隣に座り込んだのはにっかり青江だった。いつも通り審神者の面をはずそうとするでもなく、彼も審神者と同じようにお冷を持っていた。
「酒は苦手か？」
「恥ずかしながら、それが本音でね。酔っぱらった皆に飲まないのかと言われる前に、こっそり逃げてきたんだよ」
「かがちのような眼をしているのに」
「それは褒め言葉として受け取った方がいいのかい？」
しばらく二人は酔っ払いたちが一人また一人とダウンして、そのたびに部屋に運ばれていくのを眺めていた。
何時の間にか大広間には二人以外に残っている刀剣は飲み比べを未だ続ける次郎太刀と岩融だけになっていた。飲み比べの結末を予測し合ってどちらが勝つかに賭けながら、二人は台所から誰かが持ってきたまま常温になってしまった麦茶の残りを飲んでいた。
「お面、外さないのか。好機だろう」
酒気に中てられたふりをして審神者は言った。にっかり青江は溜息を吐いて苦笑いした。
「君も存外めんどくさいねえ。本気にして、今すぐにでもその面を剥ぎ取ってしまおうかな？」
今すぐにでも、と彼が言うところを見ると、まるで今まで面を取ることはやすやすとできただろうに。審神者はずっと自分がからかわれていたのかもしれないと改めて感じ、負けじと皮肉たっぷりに言い返した。
「嗚呼驚いた。私を組み敷いて力づくで暴くような真似はしないと思っていたのだが。まさかそんな趣味があったなんて」
「……冗談だとでも思ったのかい？」
「そんな怖い目で見ないでおくれ」
今日は珍しく審神者が優勢だ。審神者は自分を抱きしめ、縮こまるように肩を丸めた。にっかり青江は初めて審神者にからかわれ、ちょっと悔しそうな顔をした。
「見せてやろうか」
「えっ」
審神者の声に驚いて間抜けな声を出したにっかり青江に、審神者は微笑んだ。
「冗談だ」
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いなほん(プロフ) - 最゛高゛で゛す゛……!!!!素敵なにっかりさんをどうもありがとうございました！ (2016年12月4日 17時) (
レス) id: eb5ee429dc (このIDを非表示/違反報告)
新鮮な鉛筆(２B)(プロフ) - 拳銃さん» すみません、御指摘ありがとうございます。次のお話で、書き方を変えてみます…。 (2016年9月16日 21時) (レス) id: 873a9a633f (このIDを非表示/違反報告)
拳銃(プロフ) - もう少し間を開けた方が読みやすくなりますよー。はっきり言ってこれ読みにくいですね。二、三行で良いので間隔取ってくださいね(´-ω-`) (2016年9月15日 23時) (レス) id: d214872701 (このIDを非表示/違反報告)
ルサルカ(プロフ) - 新鮮な鉛筆(２B)さん» ありがとうございました！電車の中なのにニヤケちゃいました！www更新のんびり待ってるのでのんびり頑張ってくださーい！応援してますw (2016年9月9日 19時) (レス) id: 2218d295b6 (このIDを非表示/違反報告)
新鮮な鉛筆(２B)(プロフ) - ルサルカさん» 「待つ」ですか、リクエストありがとうございます！また時間が開いたら書かせていただきますね。 (2016年9月4日 8時) (レス) id: 451b47dddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：新鮮な鉛筆(２B) | 作成日時：2016年8月10日 13時
