TAKE４ 中庭にて ページ5
「小夜君見っけ！丸踏んだ！」
中庭で元気に遊びまわる短刀達の中に、審神者も混じっていた。今日は丸踏みという遊びをしているらしく、棒切れで地面に書かれた円の真ん中に立った秋田藤四郎が、喜々として隠れている短刀達を探している。丸踏みを知らなくても、丸踏みは缶蹴りの缶が円になっただけのものだと考えれば、容易に想像がつくだろう。
「あんなところにいたのに……」
「小夜君の髪の毛が、林の間から少しだけ見えたんですよ」
「もう、あきたってばすぐみつけてしまうんですから」
「物知りなんだね」
他愛のない会話を繰り広げる鬼と見つかった短刀達の後ろから、誰かが走って来た。
「隙あり！」
地面に靴底が滑る音がして、円の上に誰かの足が乗っかった。得意げに笑っている前田藤四郎は、いつもと違ってマントを着用していない。それは走るのに邪魔だったから、どこかに置いてきたのだろう。
「今回は、僕たちの勝ちですね。平野、乱、愛染！もう出てきていいですよ」
前田藤四郎の呼び声に応えて、木の上やら林の後ろやらに潜んでいた短刀達もやっと出てきた。
もちろんここに審神者はいない。なぜならば、開始三十秒も経たずに見つかり、今は暇を持て余した短刀達の話し相手になっているところだったからだ。
審神者は楽しそうに短刀達との話に興じていた。そして和やかに笑った(ように見えた)。
「いやー、今日はあいつに面をはがされかけないですみそうだ」
「あ、にっかりさん！」
「嘘だろ」
畑の方向に手を振る乱藤四郎を見て、審神者は絶望した。にっかり青江は審神者がいるとわかると、途端に笑みを浮かべて駆け足気味にこちらへやってきた。
「今日は一度も僕と話してくれないよねえ。つれないなあ」
「話すというより一方的に面を剥ぎ取られそうになるだけだろ」
ふい、とそっぽを向いた審神者の後頭部に、面を固定するための紐が蝶結びにされている。にっかり青江は蝶の両翅をつまむと、結び目を解くべく左右に引っ張った。紐は確かに解けたが、審神者の面は落ちなかった。
「まんまと引っかかったな！この紐は飾りで、実は他のところで固定してあるんだ。あいにく髪の毛に埋まってお前には見えないようだが、な゛っ」
高笑いと共ににっかり青江を力強く指さした審神者は、がしっとこれまた力強く頭を両手で掴まれた。
「じゃあ、探してみようか」
「皆、どこへ行くんだ！戻ってきてくれ！」
短刀達はいつもの応酬が始まると、そそくさと本丸に戻っていってしまった。
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いなほん(プロフ) - 最゛高゛で゛す゛……!!!!素敵なにっかりさんをどうもありがとうございました！ (2016年12月4日 17時) (
レス) id: eb5ee429dc (このIDを非表示/違反報告)
新鮮な鉛筆(２B)(プロフ) - 拳銃さん» すみません、御指摘ありがとうございます。次のお話で、書き方を変えてみます…。 (2016年9月16日 21時) (レス) id: 873a9a633f (このIDを非表示/違反報告)
拳銃(プロフ) - もう少し間を開けた方が読みやすくなりますよー。はっきり言ってこれ読みにくいですね。二、三行で良いので間隔取ってくださいね(´-ω-`) (2016年9月15日 23時) (レス) id: d214872701 (このIDを非表示/違反報告)
ルサルカ(プロフ) - 新鮮な鉛筆(２B)さん» ありがとうございました！電車の中なのにニヤケちゃいました！www更新のんびり待ってるのでのんびり頑張ってくださーい！応援してますw (2016年9月9日 19時) (レス) id: 2218d295b6 (このIDを非表示/違反報告)
新鮮な鉛筆(２B)(プロフ) - ルサルカさん» 「待つ」ですか、リクエストありがとうございます！また時間が開いたら書かせていただきますね。 (2016年9月4日 8時) (レス) id: 451b47dddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：新鮮な鉛筆(２B) | 作成日時：2016年8月10日 13時
