TAKE３ 大浴場前の廊下にて ページ4
「なんか三割増しで疲れた」
肩に手拭いをかけた審神者が大浴場から出てきた。
今日の大浴場は石鹸やら風呂桶やらがそこらじゅうを舞っていた。その後、犯人達は保護者達に叱られ、通夜のようなムードで大人しく湯につかっていたのであった。
こんなときにもお面を外さない審神者は、さっさと着替えてのれんをくぐり、廊下に出てきた。
「おや、もう入ったのかい？」
「短刀達に誘われてな」
ちょうど今から風呂に入ろうとしていたにっかり青江が、珍しく驚いた顔で尋ねた。
普段、審神者は最後の方に風呂に入るので、バラバラの時間帯に入るにっかり青江と出くわすことは少ない。審神者も少し驚いたが、いつものように答えた。
「さっきまで石鹸乱舞でな。お前は早く入らなくてよかったろう」
「なんだか見てみたいような光景だねえ」
「固形石鹸を背中に食らって、飛んできた風呂桶を頭にかぶりたいのか？」
「それはお断りするよ」
にっかり青江は目を細めて笑い、審神者もつられて口角を上げた。
今日の喧嘩は午前中に終息したため、あまり引きずることなく二人は会話をしている。夕方に喧嘩をしたまま気まずいと、こういう時に困る。
にっかり青江は、審神者の頬に張り付いている髪の毛に手を伸ばした。
「もう少し、髪を拭いた方がいいんじゃないかな？」
「あ、そうだな。これでは乾くのに時間がいる」
「それに……」
審神者の髪を弄ぶ指を首筋に滑らせたにっかり青江は、審神者の肩が揺れたのをみて、笑いながら言った。
「少し、無防備すぎるよ」
「……にっかり、」
にっかり青江が言っている意味を理解した途端、審神者はまた顔を真っ赤にした。
そのままにっかり青江の顔が審神者に近づいたかと思うと、突然、審神者が勢いよく後ろにブリッジして倒れた。
「お面は外させないからな？！そんなことしたって無駄だ！このむっつり青江！」
「あーあ、ばれてしまったね」
残念無念、というように肩を上げたにっかり青江に、審神者が歯噛みする。
審神者は視線をさまよわせた後、斜め下を向いて呟いた。
「……ほんとに驚いた」
「どうしてだい？」
不思議そうに問いかけてみせたにっかり青江だが、声が思いっきり面白がっている。
「言ってごらん？」
子供に接するように優しくにっかり青江は言い、審神者は口をまごつかせた。審神者はお面を付けた顔を上げて言った。
「だれが言うか！」
また口喧嘩を始めた二人を、暖簾の向こうで短刀達が見ていた。
「出にくいね」
「ほんとうに……」
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いなほん(プロフ) - 最゛高゛で゛す゛……!!!!素敵なにっかりさんをどうもありがとうございました！ (2016年12月4日 17時) (
レス) id: eb5ee429dc (このIDを非表示/違反報告)
新鮮な鉛筆(２B)(プロフ) - 拳銃さん» すみません、御指摘ありがとうございます。次のお話で、書き方を変えてみます…。 (2016年9月16日 21時) (レス) id: 873a9a633f (このIDを非表示/違反報告)
拳銃(プロフ) - もう少し間を開けた方が読みやすくなりますよー。はっきり言ってこれ読みにくいですね。二、三行で良いので間隔取ってくださいね(´-ω-`) (2016年9月15日 23時) (レス) id: d214872701 (このIDを非表示/違反報告)
ルサルカ(プロフ) - 新鮮な鉛筆(２B)さん» ありがとうございました！電車の中なのにニヤケちゃいました！www更新のんびり待ってるのでのんびり頑張ってくださーい！応援してますw (2016年9月9日 19時) (レス) id: 2218d295b6 (このIDを非表示/違反報告)
新鮮な鉛筆(２B)(プロフ) - ルサルカさん» 「待つ」ですか、リクエストありがとうございます！また時間が開いたら書かせていただきますね。 (2016年9月4日 8時) (レス) id: 451b47dddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：新鮮な鉛筆(２B) | 作成日時：2016年8月10日 13時
