TAKE０ そもそもの始まり ページ1
「主さーん！脇差来たよ！」
出陣から帰って来た鯰尾藤四郎が、真鍮のような色をした鞘に包まれた脇差を振り回しつつ、主である審神者の元へ駆けてきた。
「おや、でかしたでかした」
「俺と兄弟以外の脇差はこれが初めてだろう」
喜色を満面に押し出した声色で審神者は言い、はしゃぐ鯰尾藤四郎から脇差を受け取った。
骨喰藤四郎は無表情ながら少しだけ嬉しそうだ。目を輝かせて審神者の手の中に在る脇差を見つめている。
ここの審神者はまだ着任してから日が浅く、まだ十振ほどしか刀剣は集まっていない。
しかし簡単に第一部隊を結成し、どんどん進軍しながら仲間を集めていく予定だった。
短刀ばかりがドロップすることにいささか辟易してきた刀剣達は、久しぶりの新しい仲間の登場を知らされると、本丸のいたるところから顔を出して騒ぎ始めた。
「こらこら、そんなに騒がれるとこの脇差も困るというものだろう。皆、歓迎するか各々の仕事を果たすかしろ」
審神者はまるで男性のような口調でとがめたが、華奢な体躯は幼い少女を連想させる。
幼い見た目とは裏腹に落ち着き払ったアルトの声によって、審神者の中性的な雰囲気はより一層増していく。
しかし、審神者の顔はすっぽりと面に覆われており、目鼻立ちをうかがい知ることは出来ない。
謎多き審神者の性別は、一週間ほどのうちに、何時の間にかあいまいになっていった。
本丸から顔を出してこちらを興味深そうに眺めてくる刀剣達に、苦笑したようなそぶりを見せた審神者は、脇差にしては少し大ぶりな刀を両手で捧げ持った。
「大脇差よ、其の名を教えておくれ」
一瞬だけまばゆい光が審神者達を包み込む。鯰尾藤四郎は咄嗟に腕で光を遮り、光が治まるとゆっくり腕を下げていった。そして目を開いて光源を見つめた。
審神者の目の前に、一人の青年が立っていた。
「僕はにっかり青江。うんうん、君も変な名前だと思うだろう？」
口元に名前通りの妖しい笑みをたたえたにっかり青江を見、審神者の傍に控えていた骨喰藤四郎が少し目を細めて呟いた。
「確かに」
白装束を肩にかけた彼は、目の前の幼い審神者を見つめ、笑みを深くした。
審神者は挨拶をしようと一歩進み出たが、顔に固定されている面に突然手が掛けられたことで半歩下がった。
にっかり青江はお面に手をかけて、上の方へずらそうとしたが、審神者の細腕がそれを阻む。
「……よろしくね、お面の君」
「チェンジで！！！！」
今世紀最大の怒号が本丸の玄関先に響き渡った。
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いなほん(プロフ) - 最゛高゛で゛す゛……!!!!素敵なにっかりさんをどうもありがとうございました！ (2016年12月4日 17時) (
レス) id: eb5ee429dc (このIDを非表示/違反報告)
新鮮な鉛筆(２B)(プロフ) - 拳銃さん» すみません、御指摘ありがとうございます。次のお話で、書き方を変えてみます…。 (2016年9月16日 21時) (レス) id: 873a9a633f (このIDを非表示/違反報告)
拳銃(プロフ) - もう少し間を開けた方が読みやすくなりますよー。はっきり言ってこれ読みにくいですね。二、三行で良いので間隔取ってくださいね(´-ω-`) (2016年9月15日 23時) (レス) id: d214872701 (このIDを非表示/違反報告)
ルサルカ(プロフ) - 新鮮な鉛筆(２B)さん» ありがとうございました！電車の中なのにニヤケちゃいました！www更新のんびり待ってるのでのんびり頑張ってくださーい！応援してますw (2016年9月9日 19時) (レス) id: 2218d295b6 (このIDを非表示/違反報告)
新鮮な鉛筆(２B)(プロフ) - ルサルカさん» 「待つ」ですか、リクエストありがとうございます！また時間が開いたら書かせていただきますね。 (2016年9月4日 8時) (レス) id: 451b47dddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：新鮮な鉛筆(２B) | 作成日時：2016年8月10日 13時
