君は知らない 4【H×H】 (ページ4)

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それから２日は本を読み、共に話す時間だった。
彼がしてくる質問は漢字の読みや、言葉の意味だった。
異世界の常識部分に説明を求められることもあり、四苦八苦した。
本当に鋭い、頭の切れる男だ。
何度も何度もひやひやした。

「なぁ君の念って他人の傷を癒すものだろう、ヒソカは十分強いのに何故つけたんだい?」

いきなり話が変わった。
ああ、念を盗る気になっただろう。
私は少しだけ気を引き締める。
相手の思惑が分かっているなら、普通ここで情報を渡すような真似はしないだろう。
こいつには、少しの情報でも命取りだ。でも、今回は別だ、何も知らない小娘のように振る舞ってやる。

「いやー、あいつ、怪我を自分からするときある変態だから、ちょっとでも減らしたくてね。」

「へぇ、そういうことか。ねぇ、全部じゃなくても少しだけ念について教えてよ。ついでに見せて。便利そうな念だし俺の所で治療役としてどう?ヒソカから聞いてるんだろ、盗賊だって。報酬は弾むよ。」

彼は好青年風の笑みでこちらを見てくる。うん、いい笑顔だね、笑顔の裏にどす黒い事考えてるくせに。何も知らない女ならイチコロだね。

「全部は教えれないけど、いいよ。じゃ、ここでやるのもなんだし場所を変えよ。」

私達は本の話をしながら、近くの林に行くことにした。

「念掛けても良い?掛けれる人ここにはいないから。」

「いいけど。変なことはするなよ、他の団員に殺されるからね。」

冗談めかして彼は言うが、絶対に冗談じゃない。
彼を殺せば旅団から最も深い憎悪を受けることになるだろう。
それほど旅団の結束は強い。
…まあ一部例外が潜んでるけど、彼がそれを知るのはまだまだ先だ。
私はクロロの手に触れて念を掛ける。
雪のように真っ白だ、美しい、羨ましいね。