245 ページ46
__
『A、元気だったかい？』
私の顔を覗き込むお父さんの目尻はしわくちゃで。
優しい笑顔に胸が詰まる
『うん、元気だよ』
『...ったく、嘘つくのはホント昔から苦手だな』
『え、？』
『辛いって、顔に書いてる。』
優しく微笑んだまま頭を撫でてくれるお父さん。
その手つきに涙が溢れる
『ほんとは、苦しい...っ』
『そう、全部父さんにいってごらん？』
ポツリポツリと苦しみを吐き出す私をなだめるように
ずっと背中をさすってくれるお父さん。
隣で悲しそうな顔をするレオと
唇を噛みしめるお母さん。
わたし、みんなにそんな顔させたくないのに
『で、でも もう大丈夫！！
みんながいるもん..っ』
笑って見せても
みんな浮かない顔。
『...お父さん？お母さん、？』
どうして？
どうして何も応えてくれないの？
レオも黙ったまま俯いてる
『...また わたしをひとりぼっちにするの...？』
やっと絞り出した声
『っ、A...』
ハッとしたようにお母さんは口を開いた
『その、、あのね、』
口ごもるお母さんの背中をさするお父さん
『なに？教えてよ...
私は皆んなと一緒にいたいの！！
もう一人にしないで...っ』
『姉ちゃん...っ』
そっと私の手を取ったレオは
ふわりと笑った
『姉ちゃんは一人じゃないよ。
俺らもついてるし、姉ちゃんには大切な人がいるでしょ？』
『大切なひと、？』
わからない
何か大事なことを忘れている気がする
『A、思い出して、
ちゃんとよく考えるの。
私たちだってあなたと一緒にいたいけれど
ここはあなたが来るにはまだ早過ぎる』
『お母さん、何言って...』
『ほら、大切な人が呼んでる
はやく行ってあげなさい』
『やだ、！どこに行けって言うの？！
みんなと離れたくないっ！』
『A！！』
『っ、』
初めて聞いた
お父さんの怒鳴り声
『可愛くて大切なA
離れていても父さんたちとAは家族だよ
みんなお前を愛してる
何もしてやれなくてごめんな』
笑顔を見せてくれたお父さん
そのしわくちゃな目尻に涙が滲んでいるのが見えた時
「Aっ！！」
低くて
私の大好きな人の声
ああ、どうして忘れていたんだろう。
「テヒョン...オッパ、？」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4570人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アミマナ - ほんとに泣けました。書いてくれてありがとうございます!! (2018年10月28日 10時) (
レス) id: fbca5055d2 (このIDを非表示/違反報告)
Cr. - ずっと読んでいて、寝ないといけないのに続きが気になって寝れない、もう、すっごく最高です!! (2018年9月25日 2時) (レス) id: cf7d585d50 (このIDを非表示/違反報告)
すずか(プロフ) - 1話から一気読みしました。何度も何度も泣きました…。すごく引き込まれて…主人公の優しさとか、防弾のみんなの優しさとか...すごく感動しました...!!ほんとに、このお話を書いてくれてありがとうございます(T^T) 続編楽しみに待ってます!!!!! (2017年12月6日 23時) (レス) id: 1582be05e7 (このIDを非表示/違反報告)
hime(プロフ) - すごく引き込まれて、一気に読んでしまいました！お話が目の前に見えるようで、すごく感動しました。何回泣いたかわからないくらいでした。やっと真実を知ったメンバーがどのように、変わっていくのか楽しみです(^ ^) (2017年12月4日 1時) (レス) id: a965dc87a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - ireneさん» コメントありがとうございます！泣、主人公にもやっと本当の味方が増えましたね~( ；∀；)続編も出しましたのでそちらもよければよろしくお願い致します！！ (2017年12月2日 23時) (レス) id: 1c9d62aa08 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆー
| 作成日時：2017年6月28日 18時
