スターランド：みやかわくん (ページ3)

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届かないページ3

いつも通りの日常が淡々と流れていった

そんなある日

俺の背中に白くて綺麗な

小さい翼が生えていた

『え、えぇ･･･？？』

勿論俺は困惑したが

翼が生えていることに対してではなく

《どんな風に羽ばたけばいいのか》

翼が生えたことなんて勿論ただの1度もない

あ、でもこの翼があれば

あの日手を伸ばしても届かなかった

行きたくても行くことの出来なかった

『オリオンまで届くかな。』

やってみるか

窓に足をかける

あー、でもやっぱ不安だわ･･･

｢あれ、来ないの？｣

不意に聞こえた綺麗な声

目の前に居たのは

綺麗な翼を持った天使みたいな女の子

『俺には君のように綺麗な翼がないから。』

｢私はあなたの翼が好き

一緒に行こう？星について教えてあげる。｣

『なんで見ず知らずの俺に

そんな優しくしてくれるの？』

互いの名前も知らないのに

ふふっ

優しく微笑む彼女

｢私はあなたのことをずっと見てたわ。

さ、手を取って一緒に行きましょう。｣

『どこに行くの？』

｢スターランド｣

スターランド･･･初めて聞いたのに

なんだか懐かしい。

『あの、君の名前を教えてくれないかな。』

｢本当に覚えてないのね｣

『え、？』

悲しそうにほほえむ彼女

｢何でもないわ。私の名前はシータ。｣

『シータ･･･いい名前だね。』

なんだか懐かしい響きだけど

なんだったかな

｢今度は忘れないでね｣

『え？今度はって･･･』

｢もうすぐ夜が明ける

残念だけどお別れね。｣

『待って！もう少し一緒にいたい』

彼女は笑っていた

でも、少し悲しそうでもあった

｢私もでも、ダメなの。

またいつかきっと会えるから｣

いつかっていつだよ･･･

｢貴方が私を覚えてくれている限り必ず会える。

忘れないでね私の名前はシータ。｣

『絶対に忘れない』

｢うん。じゃあまたね大聖｣

｢え、なんで俺の名前･･･｣

いつかの夜と同じように手を伸ばした

でも、届かなかった

次に目が覚めた時俺は布団の中にいた

｢あ、お兄ちゃん起きた･･･って、

なんで、泣いてるの？｣

『え、？』

体を起こし目もとに指をやる

俺の目元は湿っていた

『なんで、泣いてるんだろ』

幸せな夢だったはずなのに